タロットカードを見ていると、「大アルカナ」という言葉をよく目にします。大アルカナはタロットを構成する重要なカード群で、一般的な78枚のタロットカードのうち22枚を占めています。
「大アルカナは何枚あるの?」「22枚にはどんな意味がある?」「小アルカナとは何が違うの?」と疑問に感じている方もいるでしょう。
大アルカナには、愚者、魔術師、女教皇、恋人、運命の輪、死神、太陽、世界など、印象的な名前を持つカードが並びます。ただし、カードの名前だけを見て「良いカード」「悪いカード」と単純に分けるものではありません。
大切なのは、一枚のカードを未来の決定事項として受け取るのではなく、今の自分が何を感じ、何を選ぼうとしているのかを考えるための象徴として見ることです。
この記事では、大アルカナ22枚の名称・英語名・基本的な意味を一覧で確認しながら、大アルカナとは何か、小アルカナとはどう違うのか、そして22枚をひとつの流れとして理解する方法までわかりやすく解説します。
- タロットの大アルカナとは何か
- 大アルカナ22枚の名前・英語名・基本的な意味
- 大アルカナと小アルカナの違い
- 22枚をひとつの物語として理解する方法
タロットの大アルカナとは

タロットの大アルカナとは、一般的な78枚組のタロットカードのうち、0番の「愚者」から21番の「世界」までの22枚を指します。人生の節目や価値観、葛藤、成長など、大きなテーマを象徴的に表すカードとして扱われます。
英語では、大アルカナを Major Arcana(メジャー・アルカナ) と呼びます。
「Major」には「主要な」「大きな」といった意味があります。「Arcana」は「秘密」「奥義」などを意味するラテン語に由来する言葉です。
一般的なタロットは、次のように構成されています。
| 種類 | 枚数 | 主に表すもの |
|---|---|---|
| 大アルカナ | 22枚 | 人生の大きなテーマ、転機、価値観、成長など |
| 小アルカナ | 56枚 | 日常の出来事、感情、行動、人間関係など |
| 合計 | 78枚 | - |
ただし、「大アルカナは人生を決定するカード」「小アルカナは重要ではない」という意味ではありません。
実際のリーディングでは、大アルカナと小アルカナを組み合わせて、質問や状況との関係から読み解いていきます。
大アルカナが出たときには、目の前の細かな出来事だけではなく、その背景にある価値観や生き方、長期的なテーマに目を向けるきっかけとして考えることができます。
大アルカナは全部で22枚
タロットの大アルカナは、基本的に22枚です。0番の「愚者」から21番の「世界」まで番号が割り当てられています。
ここでは、代表的なライダー・ウェイト・スミス系タロットの名称と番号を基準に、大アルカナ22枚を一覧で確認してみましょう。
| 番号 | カード名 | 英語名 | 基本的なテーマ |
|---|---|---|---|
| 0 | 愚者 | The Fool | 自由、始まり、可能性 |
| I | 魔術師 | The Magician | 意志、行動、創造 |
| II | 女教皇 | The High Priestess | 直感、静けさ、内面 |
| III | 女帝 | The Empress | 豊かさ、受容、育むこと |
| IV | 皇帝 | The Emperor | 安定、秩序、責任 |
| V | 教皇 | The Hierophant | 教え、伝統、価値観 |
| VI | 恋人 | The Lovers | 選択、調和、関係性 |
| VII | 戦車 | The Chariot | 前進、意志、方向性 |
| VIII | 力 | Strength | 勇気、自制、しなやかな強さ |
| IX | 隠者 | The Hermit | 内省、探求、自分と向き合う |
| X | 運命の輪 | Wheel of Fortune | 変化、巡り、転機 |
| XI | 正義 | Justice | 公平、判断、バランス |
| XII | 吊るされた男 | The Hanged Man | 視点の転換、保留、受容 |
| XIII | 死神 | Death | 終了、変化、切り替え |
| XIV | 節制 | Temperance | 調整、融合、バランス |
| XV | 悪魔 | The Devil | 執着、誘惑、束縛 |
| XVI | 塔 | The Tower | 崩壊、衝撃、見直し |
| XVII | 星 | The Star | 希望、回復、可能性 |
| XVIII | 月 | The Moon | 不安、曖昧さ、無意識 |
| XIX | 太陽 | The Sun | 喜び、明るさ、自己表現 |
| XX | 審判 | Judgement | 気づき、再評価、再出発 |
| XXI | 世界 | The World | 完成、統合、一区切り |
なお、タロットデッキによって名称の訳し方や番号が異なることがあります。
特に「力」と「正義」は、ライダー・ウェイト・スミス系では「力」が8番、「正義」が11番ですが、マルセイユ版などでは順序が入れ替わっています。
また、0番の「愚者」はデッキによって番号を持たない場合もあります。
そのため、タロットを学ぶときは、「この番号でなければ間違い」と考えるのではなく、自分が使用しているデッキの体系を確認することが大切です。
大アルカナ22枚の意味
大アルカナは、一枚ごとに異なる象徴やテーマを持っています。ここからは22枚それぞれについて、カードの意味を覚えるときの中心となる考え方を見ていきましょう。
0. 愚者|The Fool
愚者は、自由、可能性、新しい始まりを象徴するカードです。
まだ結果が決まっていない状態や、未知の世界へ踏み出そうとする姿を表すものとして解釈されます。
一方で、自由であることは、計画や保証がないということでもあります。そのため状況によっては、無計画さや見通しの甘さに目を向けるカードとして読むこともできます。
「正解がわからなくても、自分はどちらへ進みたいのか」と考えるきっかけになるカードです。
I. 魔術師|The Magician
魔術師は、意志、行動、創造、能力を使うことを象徴します。
自分の手元にある知識や道具、経験を使い、何かを始めていく姿と結びつけて考えられます。
「準備がすべて整うまで待つ」のではなく、今あるものをどう活用するかがテーマになることもあります。
仕事や学習、新しい活動について引いた場合には、「自分がすでに持っている力は何だろう」と振り返る視点を与えてくれるでしょう。
II. 女教皇|The High Priestess
女教皇は、直感、静けさ、内面、慎重さを象徴するカードです。
すぐに答えを出したり行動したりするよりも、一度立ち止まって自分の内側を見つめる姿勢と結びつきます。
ただし、「直感に従えば必ず正しい」という意味ではありません。
周囲の情報や感情に振り回されていないかを確認しながら、「私は本当はどう感じているのか」を整理するためのカードとして見ることができます。
III. 女帝|The Empress
女帝は、豊かさ、受容、愛情、育むことを表します。
人間関係だけでなく、仕事、趣味、アイデアなど、何かを時間をかけて育てていくイメージとも結びつくカードです。
一方で、与えることが過剰になっていないか、快適さに留まりすぎていないかという問いにつながる場合もあります。
「自分は何を大切に育てたいのか」と考えてみると、このカードの意味を理解しやすくなります。
IV. 皇帝|The Emperor
皇帝は、秩序、安定、責任、統率を象徴します。
計画を立てること、ルールを整えること、自分の責任で決断することなど、現実的な基盤を作る力と関係するカードです。
一方、秩序を重視しすぎると、頑固さやコントロールの強さとして表れることもあります。
「安定させるために必要なことは何か」と同時に、「自分の考えに固執していないか」を考える視点にもなります。
V. 教皇|The Hierophant
教皇は、教え、伝統、信頼できる価値観、学びを象徴します。
先生や先輩から学ぶこと、社会の中で共有されている知識やルールを参考にすることなどと結びつけて解釈できます。
ただし、既存の価値観をそのまま受け入れることだけを意味するわけではありません。
「私は何を基準に判断しているのか」「その価値観は今の自分にも合っているか」と見直すきっかけにもなるカードです。
VI. 恋人|The Lovers
恋人は、恋愛だけを表すカードではありません。中心となるテーマは、調和、関係性、価値観に基づく選択です。
恋愛について引けば二人の関係を考える材料になりますが、仕事や生き方について引いた場合には、「自分が本当に望むものを選べているか」という問いにもつながります。
大切なのは、「恋人が出たから恋愛が成就する」と未来を断定しないことです。
自分の気持ちと選択が一致しているかを見るカードとして考えると、幅広い場面で読みやすくなります。
VII. 戦車|The Chariot
戦車は、前進、意志、行動力、方向性を象徴します。
異なる力をまとめ、自分が決めた方向へ進んでいく姿がテーマです。
勢いを持って進むことを示す一方で、「どこへ向かっているのか」が曖昧なままでは、ただ忙しく動いているだけになる可能性もあります。
行動力だけでなく、目的を確認することがポイントです。
VIII. 力|Strength
力は、勇気、自制心、忍耐、しなやかな強さを表します。
相手や状況を力ずくで支配するのではなく、自分の感情や衝動とうまく付き合いながら進むイメージです。
「強い人とは、何も怖がらない人ではなく、怖さや不安がありながらも向き合える人」と考えると、このカードの象徴を理解しやすいでしょう。
IX. 隠者|The Hermit
隠者は、内省、探求、一人で考える時間を象徴します。
周囲の意見から少し距離を置き、自分なりの答えを探している状態と結びつくカードです。
人との関係を断つことを勧めるものではありません。
むしろ「他人の答えではなく、自分はどう考えているのか」を静かに確認する時間の大切さを示すカードとして読むことができます。
X. 運命の輪|Wheel of Fortune
運命の輪は、変化、巡り、タイミング、転機を象徴します。
名前に「運命」と入っていますが、「決められた未来が必ず起こる」という意味に限定する必要はありません。
自分では完全にコントロールできない環境の変化や、物事の流れが切り替わるタイミングを表すものとして考えられます。
「変化そのものを止めようとするのではなく、その変化にどう対応するか」という視点が大切です。
XI. 正義|Justice
正義は、公平、判断、責任、バランスを象徴します。
感情だけに偏らず、事実や状況を整理して判断することと結びつくカードです。
何かを決断するときには、「自分にとって都合がよいか」だけではなく、長期的に納得できる選択なのかを考える必要があるかもしれません。
自分の選択と、その結果とのつながりを考えるカードでもあります。
XII. 吊るされた男|The Hanged Man
吊るされた男は、立ち止まること、視点の転換、受容を象徴します。
一見すると身動きが取れない状態に見えますが、その時間によって今までとは違う見方が生まれることもあります。
物事が進まないときに、「どうすれば無理に動かせるか」だけでなく、「別の角度から見ると何が見えるか」と考えるためのカードです。
XIII. 死神|Death
死神は、名前や絵柄から怖い印象を持たれやすいカードです。しかし、タロットにおける死神は、通常、実際の死を予告するものとして読むカードではありません。
中心となるテーマは、終了、変化、手放し、次の段階への移行です。
今まで続いていた方法や関係、考え方などが一区切りを迎え、新しい状態へ移っていくプロセスを象徴します。
XIV. 節制|Temperance
節制は、調整、融合、バランス、穏やかな変化を表します。
異なるものをうまく組み合わせ、無理のない状態へ整えていくことがテーマです。
仕事と休息、自分と相手、理想と現実など、どちらか一方だけを選ぶのではなく、「どうすれば両方を調整できるか」という考え方につながります。
XV. 悪魔|The Devil
悪魔は、執着、誘惑、依存、思い込みによる束縛を象徴します。
怖い存在が自分を支配するというよりも、「本当は選び直せるのに、自分では動けないと思い込んでいる状態」として読むと理解しやすいでしょう。
恋愛であれば相手への執着、仕事であれば地位や評価へのこだわりなど、状況によってテーマは変わります。
「手放したいのに手放せないものはないか」と自分に問いかけるカードです。
XVI. 塔|The Tower
塔は、突然の変化、崩壊、思い込みの見直しを象徴します。
大アルカナの中でも強い絵柄を持つため、不吉なカードと思われることがあります。
しかし、「塔が出たから災難が起こる」と決まっているわけではありません。
これまで当然だと思っていた考え方が揺らいだり、無理のある状態を見直さざるを得なくなったりする場面を象徴するものとして捉えられます。
XVII. 星|The Star
星は、希望、回復、素直さ、未来への可能性を象徴します。
大きな混乱の後に、自分の中に残っている希望や願いを確かめるようなカードです。
ただし、「願いが必ず叶う」と保証するカードではありません。
「自分は本当は何を願っているのか」「そこへ向かうためにできることは何か」と考えるきっかけとして読むことができます。
XVIII. 月|The Moon
月は、曖昧さ、不安、迷い、無意識を象徴します。
情報が十分ではなく、先が見通しにくい状況や、自分の不安によって判断が揺れている状態を表すことがあります。
月が出たときには、無理に結論を急がず、「事実として確認できていること」と「自分が想像していること」を分けて考えてみることも大切です。
XIX. 太陽|The Sun
太陽は、喜び、明るさ、自己表現、活力を象徴します。
自分らしさを出せること、状況が見えやすくなること、素直な気持ちを表現することなどと結びつきます。
一般的には前向きなカードとして知られていますが、「太陽が出れば何でも成功する」という意味ではありません。
自分の力をどこへ向けたいのか、何に喜びを感じるのかを見ることがポイントです。
XX. 審判|Judgement
審判は、気づき、再評価、再出発、呼びかけに応えることを象徴します。
過去を振り返ったうえで、「ここからどうするか」を決め直す場面と結びつくカードです。
昔の出来事そのものを変えることはできなくても、そこから何を受け取り、これからどう行動するかは選び直せます。
その意味で、審判は「過去から未来へ進むための気づき」を表すカードとして考えられます。
XXI. 世界|The World
世界は、大アルカナの最後に位置するカードです。
完成、統合、達成、一区切りを象徴します。
これまでの経験がひとつにつながり、一つのサイクルが完成する状態として捉えられます。
ただし、世界で物語が完全に終わるわけではありません。
ひとつの段階を終えれば、また次の経験が始まります。そのため世界は、完成であると同時に、新しいサイクルへ向かう入口でもあるのです。
22枚を流れで理解する

大アルカナを覚えるときは、22枚を一枚ずつ暗記するだけでなく、愚者から世界まで続くひとつの流れとして見ると理解しやすくなります。
この考え方は一般に「愚者の旅(The Fool's Journey)」などと呼ばれることがあります。
0番の愚者を、まだ何者でもない主人公として考えてみましょう。
最初に魔術師や女教皇と出会い、自分の能力や内面を知ります。女帝や皇帝から育む力や社会の秩序を学び、教皇から価値観や知識を受け取ります。
やがて恋人では自分自身の価値観に基づいて選び、戦車では進む方向を決めます。
力や隠者の段階になると、外へ向かって行動するだけではなく、自分の感情や内面と向き合うことがテーマになります。
そして運命の輪以降では、自分だけでは完全にコントロールできない変化とも向き合います。
吊るされた男では立ち止まり、死神では何かを終わらせ、節制では新しいバランスを作ります。
さらに悪魔や塔を通して執着や思い込みが揺さぶられた後、星、月、太陽へと進み、自分の希望や不安、喜びを見つめます。
最後に審判でこれまでの経験を振り返り、世界でひとつのサイクルが完成します。
もちろん、これは大アルカナを理解するための一つの解釈です。タロットの歴史上、最初からこの物語が決められていたという意味ではありません。
それでも、22枚をつながった物語として見ることで、
- なぜこのカードの次にこのカードがあるのか
- それぞれのカードがどんな成長段階を表しているのか
- 似た意味のカードにはどんな違いがあるのか
といったことを整理しやすくなります。
大アルカナを覚えるときは、22枚のキーワードを一度に暗記しようとするより、「このカードの人物は今どんな状況にいて、何を感じ、次に何を選びそうか」と物語として眺めてみてください。絵柄と意味が結びつきやすくなります。

大アルカナと小アルカナの違い

大アルカナを理解するには、小アルカナとの違いも知っておくと便利です。どちらか一方が重要なのではなく、それぞれ異なる役割を持っています。
一般的な78枚組のタロットでは、大アルカナ22枚に加えて、小アルカナ56枚が含まれています。
大アルカナは大きなテーマ
大アルカナは、人生観、価値観、成長、変化など、比較的大きなテーマを考えるときに使いやすいカードです。
たとえば、
- 恋人:自分が何を大切にして選ぶのか
- 隠者:自分なりの答えをどう探すのか
- 死神:何を終わらせて次へ進むのか
- 世界:何が一区切りを迎えたのか
というように、一つの出来事だけではなく、その背景にあるテーマに目を向けることができます。
小アルカナは日常を具体化する
小アルカナ56枚は、ワンド、カップ、ソード、ペンタクルという4種類のスートに分かれています。
それぞれを代表的なテーマで整理すると、次のようになります。
| スート | 英語 | 代表的なテーマ |
|---|---|---|
| ワンド | Wands | 行動、意欲、情熱 |
| カップ | Cups | 感情、人間関係 |
| ソード | Swords | 思考、判断、葛藤 |
| ペンタクル | Pentacles | 仕事、お金、生活、現実面 |
それぞれ14枚あり、4スートを合わせて56枚になります。
大アルカナが「人生の章のタイトル」だとすれば、小アルカナは「その章の中で起きている具体的な場面」と考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば大アルカナの「恋人」と、小アルカナの「カップ2」では、どちらも人との関係として読める場合があります。
しかし、恋人は価値観や選択を含む大きなテーマとして考えやすく、カップ2は具体的な交流や気持ちのやり取りに焦点を当てやすい、という違いがあります。

正位置と逆位置で意味は変わる?
タロットの意味を調べていると、「正位置」「逆位置」という言葉もよく見かけます。逆位置を使うかどうかは読み手や流派によって異なるため、一つの方法だけが正解ではありません。
カードが通常の向きで出た状態を「正位置」、上下逆向きで出た状態を「逆位置」と呼びます。
解説書では、たとえば次のように説明されることがあります。
- 正位置:カードの象徴が素直に表れている
- 逆位置:象徴が弱まる、過剰になる、内向きになる、滞る
ただし、「逆位置=悪い意味」と単純に考える必要はありません。
たとえば「力」のカードであれば、逆位置だからといって必ず「弱い人」を意味するわけではなく、「自信を持ちにくい」「感情の扱いに苦労している」「力を使いすぎている」といった複数の見方ができます。
また、逆位置を一切使用せず、正位置だけで読む方法もあります。
初心者のうちは、まず正位置を中心に22枚の基本テーマを理解し、慣れてから逆位置を学ぶ方法でも十分です。

大アルカナを読むときのコツ
22枚の基本的な意味を覚えても、実際にカードを引くと「どの意味を選べばいいのかわからない」と迷うことがあります。タロットでは、キーワードだけでなく質問との関係を見ることが大切です。
質問と結びつけて考える
同じカードでも、質問によって読み方は変わります。
たとえば「隠者」が出た場合でも、
恋愛についてなら、自分の気持ちを静かに考える時間として読むことができます。
仕事についてなら、周囲の評価より自分の専門性や方向性を考える段階として読むこともできます。
人間関係についてなら、一度距離を取って状況を整理する必要性として見ることもできるでしょう。
つまり、カードには一つの固定された答えがあるのではありません。
カードの象徴と質問を結びつけ、自分にとってどの部分が重要なのかを考えることがタロットリーディングの基本です。
絵柄から感じたことも見る
タロットを学び始めると、「正しい意味を覚えなければ」と考えがちです。
もちろん基本的な意味を知ることは大切ですが、カードの絵柄から自分が何を感じたかを見ることも役立ちます。
たとえば「月」を見て、
「暗くて不安に感じる」
という人もいれば、
「夜だから静かに考えられそう」
と感じる人もいるでしょう。
どちらか一方が必ず正解というわけではありません。
なぜそのように感じたのかを考えることで、自分自身の気持ちやものの見方に気づくことがあります。
良い・悪いだけで分けない
大アルカナには、太陽や星のように明るく見えるカードもあれば、死神、悪魔、塔のように怖く感じるカードもあります。
しかし、タロットを「吉凶」だけで分類すると、カードが持つ意味の幅が狭くなってしまいます。
たとえば塔は、今までの前提が崩れることを象徴します。
それは一時的には困難に感じられるかもしれませんが、無理のある状態を見直すきっかけになる場合もあります。
反対に太陽のような明るいカードでも、「自信が強すぎて周囲が見えていない」と読む場面がないとは限りません。
カードの良し悪しではなく、「今の自分に何を問いかけているのか」を見ることが大切です。
カードを引いたら、すぐに解説書の答えを探す前に「この絵を見て最初に何を感じたか」「今の質問とどこがつながるか」を一度メモしてみるのもおすすめです。その後で基本の意味を確認すると、自分の感覚とカードの象徴を整理しやすくなります。
大アルカナだけでも占える?
タロットというと78枚すべてを使わなければならないように思えるかもしれませんが、大アルカナ22枚だけを使う方法もあります。
特にタロットを始めたばかりの段階では、大アルカナだけで練習すると22枚それぞれの象徴に集中しやすくなります。
たとえば、次のような問いに一枚引きを使うことができます。
- 今の自分が意識したいテーマは何か
- この問題を別の角度から見るとしたら何か
- 今の自分に必要な視点は何か
- 今日一日を振り返るときのテーマは何か
ここで重要なのは、カードに「未来を決めてもらう」のではなく、自分で考える材料として使うことです。
「転職するべきですか?」とカードに決定を委ねるよりも、
「転職について考えるとき、私が見落としている視点は何ですか?」
と問いかけたほうが、自分の考えを整理するために使いやすくなります。
健康、法律、お金など重要な判断についても、タロットだけを根拠に決めるのではなく、必要な専門情報や専門家の意見と合わせて判断してください。
大アルカナの覚え方
22枚ある大アルカナをすべて覚えるには、単語帳のような丸暗記よりも、番号・絵柄・物語・自分の言葉を結びつける方法が向いています。
最初は一語で覚える
最初からカード一枚につき10個、20個の意味を覚える必要はありません。
まずは、たとえば次の程度で十分です。
- 愚者=始まり
- 魔術師=行動
- 女教皇=内面
- 女帝=育む
- 皇帝=安定
- 恋人=選択
- 戦車=前進
- 隠者=内省
- 運命の輪=変化
- 死神=終了と転換
- 星=希望
- 世界=完成
中心となるテーマがわかれば、細かな意味は後から広げられます。
似たカードを比較する
大アルカナには、似ているように感じるカードがあります。
たとえば「戦車」と「力」はどちらも強さに関係しますが、戦車は目的へ向かって進む力、力は自分の感情や衝動を穏やかに扱う内面的な強さ、と考えると違いが見えてきます。
「死神」と「塔」も、ともに大きな変化を表すことがあります。
死神は一区切りと移行、塔はそれまでの前提や構造が崩れることに焦点を置く、と整理すると覚えやすくなります。
このようにカード同士を比較すると、それぞれの特徴がはっきりします。
自分の言葉に置き換える
解説書に書かれている言葉をそのまま覚えるだけでなく、自分が理解しやすい表現に置き換えてみましょう。
たとえば吊るされた男を、
「我慢」
だけで覚えるのではなく、
「今は無理に動かず、見方を変えるとき」
と考えてみます。
隠者なら、
「一人になる」
ではなく、
「周囲の意見から離れて、自分の答えを考える」
と表現できます。
自分の言葉にできるようになると、実際の質問に合わせた読み方もしやすくなります。

タロットを自己理解に生かす
大アルカナの魅力は、未来を当てることだけにあるのではありません。22枚の象徴を、自分の気持ちや価値観について考えるためのきっかけとして使うこともできます。
たとえば仕事について迷っているときに「恋人」が出たとします。
そこで、
「恋人だから良い会社と縁がある」
と決めつけるのではなく、
「私は仕事を選ぶとき、何を一番大切にしたいのだろう」
と考えてみます。
「皇帝」が出たなら、
「もっと安定した働き方を求めているのか」
「それとも、自分で決められる環境を求めているのか」
と問いを広げることができます。
タロットが直接答えを出してくれるというより、カードの絵や象徴が普段とは違う視点を提示し、それを手がかりに自分の考えを言葉にしていくイメージです。
カラットセラピーでも、カードから未来を一方的に決めるのではなく、色やタロットカード、対話を通して「私は本当はどう感じているのか」「これからどうしたいのか」を見つめることを大切にしています。
タロットの基本を学びながら、自分自身を見つめる方法にも興味がある方は、カラットセラピーの無料メール講座で学びを深めてみるのも一つの方法です。
カラットセラピーは、保志吏衣子が提唱する自己理解のための方法です。カラーやタロットカード、心理学的な対話を組み合わせ、自分の気持ちや状況を整理していきます。
大アルカナのよくある質問
- タロットの大アルカナは何枚ですか?
-
一般的なタロットでは、大アルカナは22枚です。
0番の愚者から21番の世界までで構成されています。愚者については、デッキによって0番ではなく番号なしになっている場合もあります。
大アルカナ22枚と小アルカナ56枚を合わせると、一般的なタロットカードは合計78枚です。
- 大アルカナは英語で何といいますか?
-
大アルカナは英語で Major Arcana といいます。
一枚一枚にも、The Fool、The Magician、The Lovers、The Sun、The Worldなどの英語名があります。
日本語訳は出版社やデッキによって多少異なる場合がありますが、カードそのものの象徴を確認すると理解しやすくなります。
- 大アルカナで一番強いカードはどれですか?
-
タロットには、基本的に「このカードが一番強い」という決まりはありません。
世界や太陽を特に良いカード、死神や塔を悪いカードとして扱う説明を見かけることもありますが、実際のリーディングでは質問や配置、周囲のカードとの関係によって意味が変わります。
強さを順位づけするよりも、それぞれがどのようなテーマを表しているかを理解するほうが役立ちます。
- 大アルカナだけでタロット占いはできますか?
-
はい。大アルカナ22枚だけを使ってカードを引く方法もあります。
人生のテーマや自分の考え方を整理するような質問とは特に相性がよく、初心者がカードの意味を覚える練習にも使えます。
ただし、より具体的な日常の状況まで細かく読みたい場合は、小アルカナも含めた78枚を使うことで読み方の幅が広がります。
- 大アルカナの意味は暗記しないと読めませんか?
-
すべての意味を丸暗記しなくても始められます。
まずは一枚につき一つか二つの基本テーマを覚え、カードの絵柄、質問、自分が感じた印象を合わせて考えてみましょう。
慣れてくると、「同じカードでも質問によってどこに注目すればよいか」が少しずつわかるようになります。
意味を正しく当てることより、自分がなぜそのように感じたのかを丁寧に言葉にしていくことが大切です。
まとめ
タロットの大アルカナは、一般的な78枚のタロットカードのうち、0番の愚者から21番の世界までの22枚を指します。
それぞれのカードは、始まり、選択、前進、内省、変化、希望、完成など、人生の中で誰もが経験し得るさまざまなテーマを象徴しています。
大アルカナを理解するときは、一枚ずつ意味を暗記するだけでなく、愚者から世界までを一つの流れとして見てみると、それぞれのカードの違いがわかりやすくなります。
また、死神や悪魔、塔が出たから悪い未来になる、太陽や世界が出たから必ず成功する、といった単純なものではありません。
カードの意味は質問や状況によって変わります。
タロットを使うときには、「このカードは未来をどう決めているのか」と考えるよりも、「このカードをきっかけに、私は自分の状況をどう見直せるだろう」と考えてみてください。
22枚の大アルカナは、未来の答えを一方的に教えるものというより、自分の気持ちや価値観、これからの選択を見つめるための22種類の視点として活用できます。
まずは気になる一枚から、その絵柄をゆっくり眺めてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。


