タロットカードを眺めていると、人物だけでなく、ライオンや犬、花、山、川、塔、剣、杯など、さまざまなモチーフが描かれていることに気づきます。
「この動物にはどんな意味があるの?」「赤や青などの色にも意味がある?」「カードの意味を覚えるだけではなく、絵から読めるようになりたい」と感じる方もいるのではないでしょうか。
タロットのモチーフは、カードを読み解くための大切な手がかりです。とくにライダー=ウェイト=スミス版をはじめ、人物や背景が細かく描かれたタロットでは、一枚の絵の中に複数の象徴が組み合わされています。
ただし、「ライオン=必ずこの意味」「赤=必ずこの意味」というように、一つのモチーフを一つの答えに固定する必要はありません。どのカードに描かれているか、周囲には何があるか、質問した人がどこに注目したかによっても、読み方は変わります。
この記事では、タロットに描かれる代表的な動物・植物・色・建物・道具などを取り上げながら、象徴を実際のリーディングにどう生かせばよいのかを解説します。
- タロットのモチーフを読むときの基本的な考え方
- 動物・植物・自然に見られる代表的な象徴
- 色・建物・道具から読み取れるヒント
- モチーフを暗記せずカード全体から読む方法
タロットのモチーフとは

タロットのモチーフとは、カードの中に描かれている人物以外の動物、植物、自然、色、建物、道具、装飾などの図像を指します。
タロットには長い歴史があり、時代や地域、デッキの作者によって絵柄は異なります。現在よく使われているライダー=ウェイト=スミス系のカードでは、大アルカナだけでなく小アルカナにも具体的な場面が描かれているため、モチーフから状況をイメージしやすいことが特徴です。
たとえば「力」のカードを見ると、女性とライオンが描かれています。カード名だけを覚えるなら「力・勇気・忍耐」などのキーワードになりますが、ライオンの表情や女性との関係まで見ることで、「力ずくで抑えるのではなく、落ち着いて扱う力」といった読み方もできます。
「愚者」の足元にいる犬に注目すれば、同行者、警告、好奇心、本能など、いくつかの方向から考えることができます。
つまりモチーフは、カードの意味を増やすための「もう一つの単語帳」ではありません。絵に描かれた状況を立体的に理解するためのヒントとして捉えると、リーディングに生かしやすくなります。
動物モチーフの意味
タロットに登場する動物は、本能、生命力、人と自然との関係などを考える手がかりになります。
ただし、動物そのものの一般的なイメージだけではなく、「どんな状態で描かれているか」を見ることが重要です。
| モチーフ | 読み方の例 | 注目したいポイント |
|---|---|---|
| ライオン | 力、情熱、本能、勇気 | 荒々しいか、落ち着いているか |
| 犬 | 仲間、忠誠、本能、警告 | 人物について行くのか、吠えるのか |
| 狼 | 野性、未知、本能的な反応 | 犬など他の動物との対比 |
| 馬 | 行動力、移動、勢い | 色、向き、騎手との関係 |
| 鳥 | 視点、自由、知らせ、精神性 | 飛んでいるか、止まっているか |
| 魚 | 感情、無意識、意外なもの | 水との関係、どこから現れるか |
ライオン
ライオンは、力強さや本能、情熱を連想させやすいモチーフです。
代表的なのが「力」のカードです。ここでは女性がライオンと向き合っていますが、暴力的に押さえ込んでいるようには描かれていません。
そのため、単なる腕力ではなく、
- 感情に振り回されず付き合う
- 強い衝動を否定せず扱う
- 怒りや焦りを落ち着いて受け止める
- 相手を無理に支配しない
といった方向へ考えることもできます。
同じライオンでも、カードの作者によって表現が違えば、受け取る印象も変わります。
犬と狼
犬は「愚者」、犬と狼の組み合わせは「月」などで見ることができます。
犬には、人とのつながりや忠誠、身近な本能といったイメージがあります。一方、狼には、野性や未知の領域という印象を重ねる読み方があります。
とくに「月」のように複数の動物が描かれている場合、一匹だけの意味を考えるより、二匹の違いや共通点を比べてみると読みやすくなります。
「理性的に理解している部分と、言葉にならない不安が同時にあるのかもしれない」といったように、対照的な二つの側面として考えることもできます。
馬
馬は移動や行動、勢いを連想させるモチーフです。人物が馬に乗っているカードでは、「どこへ向かっているのか」「勢いがあるのか」「落ち着いて進んでいるのか」も確認してみましょう。
たとえば同じ人物が馬に乗っていても、疾走している馬と静かに歩く馬では、受ける印象が違います。
そのため「馬がある=行動」という一語で終わらせず、行動の速さや姿勢まで含めて読むことがポイントです。
動物を見つけたら、まず意味を思い出そうとするより、「この動物はいま何をしているように見える?」と考えてみてください。動きや表情を見ると、カードの状況がつかみやすくなります。
植物モチーフの意味
花や木、果実などの植物もタロットによく登場します。植物は、成長、生命、実り、美しさ、時間の経過などを連想させることがあります。
バラ
バラは、美しさや愛、情熱などを連想させやすい花です。
ただし、バラが描かれているからといって、必ず恋愛を意味するわけではありません。
白いバラであれば純粋さや新しさ、赤いバラであれば情熱などを思い浮かべる人もいますが、色とカード全体を組み合わせて考えることが大切です。
たとえば人物がバラを手にしているのか、背景に咲いているのかでも印象は変わります。
ユリ
ユリは、清らかさ、静けさ、精神的な純粋さなどを連想させることがあります。
バラとユリが一緒に描かれている場合には、情熱と冷静さ、感覚と精神性など、異なる要素のバランスとして読む方法もあります。
ただし、こうした読み方は一例です。「その花を見て自分が何を感じるか」という視点も忘れないようにしましょう。
ひまわり
ひまわりからは、太陽、明るさ、生命力、素直さなどを連想しやすいでしょう。
「太陽」のカードのように、明るい背景や子どもなどと組み合わされていれば、開放感や生命の伸びやかさという印象がさらに強くなります。
植物単体ではなく、人物・天候・色と一緒に見ることで解釈しやすくなります。
果実や穀物
ブドウやザクロ、麦など、実を結ぶ植物が描かれることもあります。
こうしたモチーフは、
- 育ててきたもの
- 成果
- 豊かさ
- 成熟
- 積み重ね
などを考えるきっかけになります。
ただし「果実=お金が増える」と短絡的に読むのではなく、仕事について質問しているのか、人間関係について質問しているのかによって置き換えてみましょう。
仕事であれば積み重ねてきた成果、人間関係であれば時間をかけて築いた信頼、といった読み方ができます。
自然モチーフの意味
山、川、海、雲、空などの自然は、カードの背景に描かれることが多いため見落とされやすいモチーフです。
しかし背景を見ると、その人物が置かれている「環境」や「これから向かう方向」を考えやすくなります。
山
山は、高さや険しさがあることから、目標、課題、到達点、乗り越えるものなどを連想させることがあります。
重要なのは、人物と山の距離です。
遠くに小さな山があるなら「これから向かう目標」と見ることもできますし、目の前に大きく立ちはだかっているなら「いま意識している課題」と感じることもあります。
山があるだけで「困難」と決めつけないことがポイントです。
水
海、川、池などの水は、タロットでは感情や心の深い部分と結びつけて読むことがよくあります。
水面が穏やかなのか、波立っているのかによっても印象は変わります。
たとえば感情について質問しているとき、カードの人物は落ち着いていても、背景の水が大きく揺れているなら、「表面上は冷静でも、内側には動きがあるのかもしれない」と考えることができます。
もちろん、それが本人の心理状態を事実として示しているわけではありません。あくまでカードを通して、自分の状態を振り返るための問いとして使うことが大切です。
道
道や小道は、進路、選択、過程、これから歩く方向などを連想させやすいモチーフです。
道がまっすぐなのか曲がっているのか、先が見えるのか見えないのかにも注目してみましょう。
「月」のカードのように、遠くまで続く道が描かれている場合、「すぐに答えが見えなくても進む必要がある状況」と読む人もいます。
ここでも「未来はこうなる」と決めるのではなく、「私は先が見えないことに、どんな気持ちを抱いているだろう」と自分に問いかける材料として使えます。
雲
雲は、見えにくさ、変化、境界、何かが現れる場所などとして読むことがあります。
ライダー=ウェイト=スミス系の小アルカナでは、雲から手が現れ、ワンドやカップ、ソード、ペンタクルを差し出しているカードがあります。
そのような場面では、「新しく提示された可能性」「意識に上がってきたテーマ」といった見方もできます。
色が伝える象徴
タロットでは、人物や背景に使われている色もカードの印象を大きく左右します。
ただし、色の意味は文化や時代、デッキの作者、印刷された版によって異なります。そのため、色だけで意味を決めるのではなく、視覚的な印象を補助する材料として使いましょう。
| 色 | 連想しやすいテーマの例 |
|---|---|
| 赤 | 情熱、行動、生命力、強さ |
| 青 | 落ち着き、思考、内面、静けさ |
| 黄・金 | 明るさ、意識、活力、価値 |
| 白 | 純粋さ、始まり、明瞭さ |
| 黒 | 未知、重さ、影、区切り |
| 緑 | 成長、自然、安定、生命 |
| 灰色 | 中間、停滞、静けさ、不明瞭さ |
たとえば赤い服を着た人物が描かれていたら、「活動的」「情熱的」という印象を受けるかもしれません。
一方、落ち着いた青が多いカードなら、内省や静かな時間を連想する人もいるでしょう。
大切なのは、「赤だから情熱」という答えを当てはめることではありません。
その色がカードの中で目立っているか、どの人物や道具に使われているかを見ます。
同じ赤でも、人物の服が赤い場合と背景が赤い場合では、読み取れる印象は変わります。
また、市販されているタロットには原典をもとに色を変更した版もあります。別のデッキを使う場合には、その作者独自の色彩設計があることも考慮しましょう。

建物や場所の意味

塔、城、家、庭、門などの建物や場所は、「その人がどのような環境にいるように見えるか」を考えるときに役立ちます。
塔
「塔」のカードに代表されるように、高い建物は、築き上げたもの、守っているもの、固定された構造などを連想させる場合があります。
そこに雷や崩壊などの出来事が組み合わされていれば、「今までの前提が揺らぐ」といった読み方につながります。
しかし、「塔が出たから必ず悪い出来事が起きる」という意味ではありません。
たとえば、
「自分の中で絶対だと思っていた考えを見直す時期なのかもしれない」
という内面的な変化として考えることもできます。
城や街
遠くに城や街があるカードでは、安全な場所、社会、目的地、生活基盤などを連想することがあります。
人物がそこから離れているのか、向かっているのかによっても印象は違います。
「すでに持っている安定から離れようとしているのか」「安心できる場所を目指しているのか」など、人物との位置関係から考えてみましょう。
庭や畑
整えられた庭や実りのある畑は、育ててきたものや生活の安定、管理された環境などを連想させることがあります。
植物と同じように、「時間をかけて育てる」という視点も読み取りやすいモチーフです。
仕事や学習についての質問であれば、「今すぐ結果を求めるより、積み重ねる段階なのではないか」と考えるヒントになる場合もあります。
道具モチーフの意味
タロットには、剣、杯、杖、硬貨、天秤、ランタン、冠など、多くの道具が登場します。
道具は「その人物が何を使っているのか」という視点から見ると理解しやすくなります。
ワンド
ワンドは杖や棒のような形で描かれ、ライダー=ウェイト=スミス系では小アルカナの一つのスートを構成します。
一般には、
- 行動
- 意欲
- 創造性
- 挑戦
- エネルギー
などと結びつけて読むことがあります。
ただし、ワンドを高く掲げている人と、たくさん抱えて苦しそうにしている人では意味合いが大きく違います。
「ワンド=情熱」と覚えるだけでなく、そのエネルギーをどう扱っているかを見るとカードの違いが分かりやすくなります。
カップ
カップは、水や飲み物を受け止める器であることから、感情、受容、人間関係などと結びつけて読むことがあります。
カップが満たされているのか、倒れているのか、誰かと分かち合っているのかを確認してみましょう。
同じカップでも、「持っている」「差し出している」「こぼれている」では状況が異なります。
ソード
ソードは剣です。決断、思考、言葉、葛藤などを連想する読み方があります。
鋭い刃物であるため、「切り分ける」「判断する」というイメージにもつながります。
一方で、剣が多く描かれているカードには緊張感を感じることもあるでしょう。
その場合も「悪いカード」と決めるのではなく、「考えすぎていないか」「判断する必要があるのか」「言葉による衝突が起きていないか」など、質問に合わせて考えてみます。
ペンタクル
ペンタクルは、硬貨のような円形の中に五芒星が描かれることが多く、物質、仕事、お金、身体、生活基盤など現実的なテーマと結びつけて読むことがあります。
ただし、「ペンタクルが出た=お金」という読み方だけでは十分ではありません。
学習について質問しているなら「身につけた技術」、仕事なら「具体的な成果」、生活についてなら「日々の基盤」と置き換えることもできます。
天秤
天秤は、バランス、公平さ、比較、判断などを連想させます。
ただし重要なのは、「誰が天秤を持っているのか」「何を分けているのか」です。
公平に分配しているように見える場合もあれば、与える側と受け取る側の力関係に注目することもできます。
ランタン
「隠者」のランタンのような光は、探している答え、気づき、少し先を照らすものなどを連想させることがあります。
ランタンが照らせる範囲は限られています。
そのため、「すべてを一度に理解しなくても、いま必要な一歩は見つけられる」といった読み方もできます。
鎖
鎖は、束縛、制限、つながり、依存などを連想しやすいモチーフです。
ただし、鎖が実際に外せないのか、それとも本人が外していないだけなのかで、読み方は大きく変わります。
カードを見るときには、「制限がある」という結論だけではなく、「その制限はどの程度強いものなのか」まで観察してみましょう。
モチーフの読み方

モチーフを覚え始めると、カードを見るたびに「これは何の象徴?」と調べたくなるかもしれません。
もちろん知識を増やすことは役立ちますが、リーディングでは象徴辞典を暗記することよりも、カード全体の流れを見ることが大切です。
おすすめなのは、次の順番です。
- カード全体を眺める
- 最初に目に入ったものを確認する
- そのモチーフの状態を言葉にする
- カード全体との関係を見る
- 質問の内容につなげる
最初に目に入ったものを見る
カードを見た瞬間、「赤い服が気になる」「犬が気になる」「遠くの山が気になる」など、人によって注目する場所は異なります。
まず、その反応を否定しないことが大切です。
「正しい象徴を見つけなくては」と考えるより、
「私はなぜ、今日はここが気になったのだろう」
と考えてみましょう。
同じカードでも、以前は人物に目が行ったのに、今回は背景の道が気になることがあります。その違いも、自分の現在の関心を整理する手がかりになります。
状態をそのまま描写する
次に、すぐ意味へ変換せず、見えているものをそのまま言葉にします。
たとえば、
「一人の人物が遠くを見ている」
「足元に犬がいる」
「空が黄色く明るい」
「遠くに山がある」
という具合です。
事実として絵に描かれている内容と、自分の解釈をいったん分けると、思い込みが少なくなります。
そのあとで、
「遠くを見ているから、次の可能性を探しているように感じる」
と解釈を加えます。
この順番を意識するだけでも、モチーフを柔軟に読みやすくなります。
質問につなげる
同じ象徴でも、質問によって意味は変わります。
たとえば「山」が気になったとします。
仕事について質問しているなら、
「少し時間のかかる目標があるのではないか」
と考えられるかもしれません。
人間関係なら、
「相手との間に距離を感じているのかもしれない」
と捉えることもできます。
大切なのは、カードが「あなたには障害がある」と決めることではありません。
「山を障害だとしたら、今の自分にとって何だろう?」
と問いに変換することです。
モチーフの意味を調べたあとには、「では、今回の質問では何を表しているだろう?」ともう一度考えてみてください。同じ象徴を質問に合わせて翻訳することで、暗記だけに頼らない読み方が身につきます。
代表カードで読む例
ここでは、いくつかのカードを例に、モチーフをどう組み合わせて読めるのか見てみましょう。
「愚者」の犬
「愚者」では、前へ進もうとする人物のそばに犬が描かれています。
犬だけを見るなら、仲間や本能、警告などを連想できます。
さらに、
- 人物は前を向いている
- 足元には崖がある
- 犬が近くにいる
- 荷物は多くない
とカード全体を見ると、「未知の場所へ向かう人と、それに反応する本能」という場面として捉えられます。
新しい仕事について質問している場合なら、「不安はあっても新しい経験に気持ちが向いている」と読むこともできます。
ただし、「転職すべき」という結論をカードだけで決めるのではなく、「期待と不安のどちらを強く感じているか」を整理するきっかけとして使うことが大切です。
「力」のライオン
「力」では、女性とライオンの関係が大きなポイントになります。
ライオンを本能や強い感情と考えるなら、女性がそれと落ち着いて向き合っている場面から、「強い感情を否定せず扱う」というテーマを読むことができます。
人間関係の悩みで出た場合なら、
「相手を変えようとするより、自分の感情をどう扱うか」
という問いにつなげてもよいでしょう。
「月」の道と水
「月」では、月だけでなく、犬と狼、水辺、そこから出てくる生き物、遠くへ続く道など、複数のモチーフが描かれています。
一つ一つを別々に暗記するより、
「暗い中で、先が完全には見えない道を進む場面」
と全体を捉えると理解しやすくなります。
そこから、「まだ確信が持てない」「感情や想像が大きくなっている」「判断材料がそろっていない」といった読み方につながる場合があります。
「魔術師」の四つの道具
「魔術師」の前には、ワンド、カップ、ソード、ペンタクルという四つのスートを示す道具が描かれています。
この配置から、複数の資源や能力が手元にある状態として読むことができます。
仕事について質問しているなら、「能力がない」というより「すでに持っているものをどう組み合わせるか」という視点で考えることができるでしょう。
「隠者」のランタン
「隠者」が持つランタンは、暗闇の中の小さな光として見ることができます。
遠くまで一度に照らす光ではありません。
そのため、「将来のすべてを決めるのではなく、まず次の一歩が分かればよい」という読み方もできます。
迷いがあるときほど、こうしたモチーフは「答えを当てるもの」ではなく、考え方を切り替えるきっかけになります。
モチーフを読む注意点
象徴を学ぶほど読み方の幅は広がりますが、知識が増えたからこそ気をつけたいこともあります。
意味を一つに固定しない
もっとも避けたいのは、
「犬=忠誠」
「山=困難」
「赤=情熱」
というように一対一で暗記してしまうことです。
象徴には複数の意味が考えられます。
たとえば山は「困難」にも見えますが、「目標」「到達点」「高い視点」にも見えるでしょう。
どの読み方が自然かは、カード全体と質問によって変わります。
小さなモチーフを読みすぎない
カードには多くの細部が描かれています。
すべてに意味を見つけようとすると、かえって何を伝えたいカードなのか分からなくなることがあります。
最初は、
「一番気になるもの」
「カードの中心にあるもの」
「質問と関係がありそうなもの」
から読むだけでも十分です。
デッキごとの違いを見る
タロットには非常に多くのデッキがあります。
ライダー=ウェイト=スミス版をもとにしたデッキでも、人物、動物、植物、色などが作者独自の表現に変更されている場合があります。
そのため、別のデッキを使うときは「元のカードではこうだった」という知識だけで決めず、そのデッキの絵を改めて観察しましょう。
解説書に作者の意図が記されているなら、それも参考になります。
未来を断定する材料にしない
「黒い雲があるから悪いことが起こる」「塔があるから関係が壊れる」というような断定はおすすめできません。
タロットの図像は、自分の状況や感情について考えるきっかけとして利用できますが、未来や他人の本音を客観的に証明するものではありません。
不安を強く感じるカードが出たときほど、
「何が怖いと感じたのだろう」
「現実に確認できていることは何だろう」
と、自分に戻って考えることが大切です。
象徴を上手に読める人ほど、意味を早く決めるのではなく、複数の可能性を残します。「こうとも読めるし、別の見方もできる」と考える余白が、タロットを自己理解に生かすうえで大切です。
モチーフを学ぶコツ
タロットのモチーフを覚えたい場合は、意味の一覧表を丸暗記するより、一枚ずつ観察する練習がおすすめです。
たとえば毎日一枚カードを選び、
- 最初に目に入ったモチーフ
- その色や形
- どのような状態に見えるか
- そこから感じたこと
- 一般的なカードの意味
をノートに書いてみます。
最初に自分の印象を書き、そのあと解説書を読むのがポイントです。
先に正解を調べてしまうと、「覚えた意味をカードに当てはめる」という読み方になりやすいからです。
たとえば犬を見て「楽しそう」と思ったのなら、それも一つの観察です。そのあとで、犬に忠誠や本能などの象徴的な読み方があることを知れば、自分の感覚と知識を両方持てるようになります。
カラットセラピーでも、タロットを「未来を決める答え」としてではなく、自分の気持ちや本音を見つめるための手がかりとして大切にしています。
タロットやカラーを通して自己理解を深める方法を基礎から学びたい方は、実践レッスン動画付きの無料メール講座から始める方法もあります。
「カードの意味を覚えるだけで終わらず、自分で感じ、考えながら読めるようになりたい」という方には取り入れやすい学び方です。

タロットのモチーフのよくある質問
- タロットのモチーフには正しい意味がありますか?
-
一つだけの絶対的な正解があるわけではありません。
伝統的によく使われる象徴や、特定のデッキの作者が意図した意味はありますが、モチーフは文化や時代、カード全体の構図によっても解釈が変わります。
「一般的にはこう読まれることがある」と理解したうえで、質問や周囲のモチーフと組み合わせて考えるのがおすすめです。
- モチーフの意味は全部覚える必要がありますか?
-
全部暗記する必要はありません。
まずはワンド、カップ、ソード、ペンタクルの四つのスートや、よく登場する動物・自然などから覚えるとよいでしょう。
分からないモチーフがあっても、「どんな印象を受けるか」「人物との関係はどうなっているか」を観察するだけでリーディングの手がかりになります。
- 色にも決まった意味がありますか?
-
色には情熱、静けさ、明るさなど、一般に連想されやすいイメージがありますが、一つの意味に固定することはできません。
また、タロットはデッキや版によって配色が異なることがあります。
色を見るときは、「何色か」だけではなく、「その色がどこに使われ、カード全体でどのような印象をつくっているか」を確認しましょう。
- モチーフとカード本来の意味が違うときはどうしますか?
-
どちらかを捨てる必要はありません。
まずカードの基本的な意味を確認し、そのうえで、気になったモチーフが今回の質問にどのようなニュアンスを加えているのか考えてみましょう。
たとえば一般的には前向きに読まれるカードでも、自分が背景の暗い部分ばかり気になるなら、「前向きになりたいけれど不安も残っている」といった読み方ができます。
- オリジナルのタロットでも同じ意味で読めますか?
-
ライダー=ウェイト=スミス版をもとにしたデッキであれば、共通する象徴を参考にできる場合があります。
ただし、作者が動物や色、人物などを大きく変更している場合は、そのデッキ独自の世界観を優先したほうが自然です。
付属の解説書があれば確認し、「元の象徴」と「そのデッキならではの表現」の両方を見比べると理解しやすくなります。
まとめ
タロットのモチーフには、動物、植物、色、自然、建物、道具など、カードの意味を深めるさまざまな手がかりがあります。
ライオンから力強さを感じたり、道からこれからの過程を連想したり、カップから感情や受容を考えたりすることで、カード名やキーワードだけでは見えにくかった物語が立ち上がってきます。
ただし、モチーフは意味を機械的に当てはめるための記号ではありません。
「山だから困難」「赤だから情熱」と決めるのではなく、
「このカードでは山がどこにあるのか」
「赤は誰が身につけているのか」
「そのモチーフを見て、自分は何を感じたのか」
まで考えてみることが大切です。
タロットは、未来や相手の気持ちを一方的に決めるために使わなくても、自分が今どこに目を向けているのかを知るきっかけになります。
カードを引いたときは、すぐに解説書の答えを探す前に、少しだけ絵を眺めてみてください。
あなたが最初に気づいた小さなモチーフが、「自分は本当は何を感じているのだろう」「これからどうしたいのだろう」と考えるための、新しい入り口になるかもしれません。


