「自分には価値がない気がする」「失敗すると、自分そのものを否定したくなる」「人からどう思われているかが気になって疲れる」。こうした感覚が続くと、「私は自己肯定感が低いのかもしれない」と考えることがあります。
ただ、自己肯定感が低いことを、その人の性格や能力の問題だけで説明することはできません。これまでの経験、人間関係、置かれている環境、物事の受け止め方など、さまざまな要因が重なっていることがあります。
また、自己肯定感の高さは「自信満々であること」や「自分をいつも好きでいられること」と同じではありません。大切なのは、特徴をチェックして自分にレッテルを貼ることではなく、どのような場面で自分を苦しめる考え方や行動が生まれやすいのかを知ることです。
この記事では、自己肯定感が低い人に見られやすい特徴や原因を整理しながら、自分を責めすぎずに向き合う方法を解説します。
- 自己肯定感が低い状態とは何か
- 自己肯定感が低い人に見られやすい考え方や行動
- 自己肯定感が低くなる背景や原因
- 自分を否定しすぎず心を楽にする向き合い方
自己肯定感が低い状態とは

自己肯定感が低い状態とは、単に「自信がない」というだけではなく、自分の価値や能力を必要以上に低く評価しやすくなっている状態として考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば仕事で一度ミスをしたとき、「今回は確認が足りなかった」と考えることもできます。一方で、「私は仕事ができない人間だ」「何をやってもダメだ」と、自分全体の評価にまで広げてしまうことがあります。
後者のような受け止め方が繰り返されると、自分に対する否定的な見方が強まりやすくなります。
ただし、自己肯定感は常に一定とは限りません。
仕事で失敗が続いている時期、恋愛や人間関係で傷ついた直後、大きな環境変化のなかにいるときなど、一時的に自信を失うこともあります。「最近、自己肯定感が低い気がする」という感覚だけで、自分の性格を決めつける必要はありません。
また、「自己肯定感」は医療上の診断名ではありません。そのため、「特徴が5個当てはまったから自己肯定感が低い」といった判定をするものでもありません。
自己肯定感が低い人の特徴
自己肯定感が低い人には、いくつか共通して見られやすい考え方や行動があります。ただし、以下の特徴があるからといって、必ず自己肯定感が低いとは限りません。
ここでは「診断項目」ではなく、自分を苦しめているパターンに気づくための手がかりとして見ていきましょう。
人の評価に左右されやすい
周囲からの評価を強く気にすることは、自己肯定感が低いと感じている人に見られやすい特徴の一つです。
たとえば、上司から褒められた日は安心する一方、少し注意された日は「自分は認められていない」と感じることがあります。
友人から返信が来ないだけで、
「嫌われたのではないか」 「何か悪いことを言ったのではないか」
と不安になることもあるでしょう。
もちろん、人からどう思われているかを気にすること自体は自然です。問題になりやすいのは、他人の反応によって自分自身の価値まで大きく上下してしまう状態です。
失敗を自分全体の否定につなげる
自己肯定感が低いときは、出来事と自分自身を切り分けることが難しくなる場合があります。
たとえば、
「プレゼンがうまくいかなかった」
という出来事があったとします。
本来であれば、「説明の順番を改善しよう」「準備時間が足りなかった」と振り返ることもできます。
ところが、
「私は人前で話す能力がない」 「私は何をやってもダメだ」
と考えると、一つの失敗が自分全体への否定に広がってしまいます。
失敗した事実と「自分には価値がない」という評価は別のものです。この二つが結びつきやすくなっていないかを振り返ることが大切です。
褒め言葉を受け取りにくい
人から褒められても、
「たまたまだよ」 「そんなことない」 「相手がお世辞を言っているだけ」
と反射的に否定してしまうことがあります。
謙虚さとして言っている場合もありますが、自分への否定的な見方が強いと、良い評価そのものを受け取りにくくなることがあります。
興味深いのは、失敗や批判については「やっぱり私はダメだ」と受け入れやすい一方、成功や肯定的な評価には「偶然だった」と考えてしまうことです。
このような偏りに気づくだけでも、自分への評価を少し違った角度から見られるようになります。
他人と比べて落ち込みやすい
自分と他人を比較することは誰にでもあります。しかし、比較するたびに「自分のほうが劣っている」という結論になってしまうと苦しくなります。
特にSNSでは、仕事、収入、恋愛、結婚、外見、旅行、子育てなど、他人の目立つ部分が次々と目に入ります。
ただし、そこで見えているのは相手の生活の一部分です。
それでも、
「同年代なのに自分は遅れている」 「あの人は充実しているのに私は何もない」
と比べ続けると、自分の良い面や積み重ねが見えにくくなります。
完璧でなければ意味がないと思う
自己肯定感が低い人のなかには、意外にも努力家や完璧主義的な人もいます。
「90点では足りない」 「失敗したら恥ずかしい」 「きちんとできないなら最初からやらないほうがいい」
という考えが強いと、できている部分より足りない部分ばかりに目が向きます。
結果として、周囲から見れば十分に成果を出していても、本人だけは「まだダメだ」と感じ続けることがあります。
完璧を目指すこと自体が悪いわけではありません。重要なのは、できなかったことを理由に自分の価値まで下げていないかという点です。
挑戦する前に諦めやすい
「どうせ私にはできない」「失敗したら恥ずかしい」と思うと、新しいことを避けたくなる場合があります。
転職したいのに応募できない、興味のある習い事があるのに始められない、自分から人を誘いたいのに断られるのが怖くて行動できない、といった形で現れることがあります。
ここで難しいのは、挑戦しなければ失敗もしない代わりに、「できた」という経験も得にくくなることです。
すると、
「やっぱり私には何もできない」
という考えがさらに強くなることがあります。
人に合わせすぎる
自己肯定感が低いと感じている人のなかには、自分の希望より相手を優先しやすい人もいます。
本当は断りたいのに引き受ける、行きたくない場所にも付き合う、相手の機嫌を損ねないように言いたいことを我慢する、といった行動です。
背景には、
「断ったら嫌われるかもしれない」 「役に立たなければ必要とされない」
という不安が隠れている場合があります。
相手を思いやることと、自分の気持ちを無視することは同じではありません。
自分に厳しい言葉を使う
「こんなこともできないなんて最低」 「また失敗した。私は本当にダメ」 「普通の人ならできるのに」
このような言葉を、自分に対して日常的に使っていることがあります。
もし友人が同じ失敗をしていたら、「そんなに自分を責めなくてもいいよ」と言えるかもしれません。
それなのに、自分にだけ非常に厳しい基準を適用していることがあります。
自分への言葉は習慣になりやすいため、まず「私は今、自分に何と言っているだろう」と気づくことが重要です。
女性だけに多い特徴はある?
「自己肯定感が低い女」「自己肯定感が低い女性の特徴」と検索して、自分や身近な女性について知りたい人もいるでしょう。しかし、自己肯定感の状態を性別だけから判断することはできません。
恋愛で相手に合わせすぎる、外見を比較して落ち込む、相手の愛情を何度も確認したくなるといった行動が「自己肯定感が低い女性の特徴」と紹介されることがあります。
ただ、こうした行動は女性だけに起こるものではありません。
性別よりも、
- どのような経験をしてきたか
- どんな人間関係のなかにいるか
- 何を評価基準にしているか
- どのような思考の癖があるか
- 現在どれくらい心身に余裕があるか
といった違いのほうが、その人自身を理解するうえでは重要です。
「女性だからこうなる」「男性ならこうならない」と単純化すると、本当に苦しくなっている理由を見落としてしまう可能性があります。
自己肯定感が低くなる原因

自己肯定感が低くなる原因は、一つに決められるものではありません。育った環境だけで説明できる人もいれば、最近の仕事や恋愛で自信を失っている人もいます。
ここでは代表的な背景を整理します。
否定される経験が重なった
子どものころから繰り返し、
「そんなこともできないの?」 「もっとしっかりしなさい」 「○○ちゃんはできるのに」
と比較されたり否定されたりしていると、自分への見方に影響することがあります。
家庭だけではなく、学校、部活動、友人関係、職場などで否定的な経験が続く場合もあります。
ただし、過去に厳しく育てられた人が必ず自己肯定感を失うわけではありません。反対に、大きな否定体験を思い出せなくても、自分を低く評価する人もいます。
原因探しでは「誰のせいか」を決めるより、「どんな経験から、どんな考え方を身につけたのか」を見ていくほうが役立つことがあります。
条件を満たしたときだけ認められてきた
「良い成績を取れば褒められる」「役に立てば認めてもらえる」という経験が重なると、成果と自分の価値を結びつけやすくなる場合があります。
すると大人になってからも、
「仕事で成果を出せない私は価値がない」 「人から必要とされなければ意味がない」
という考えを持ちやすくなることがあります。
もちろん、努力を評価されること自体に問題があるわけではありません。
苦しくなりやすいのは、「結果が出ない自分は認められない」と感じるようになっている場合です。
大きな失敗や人間関係で傷ついた
自己肯定感は、最近の出来事によって揺れることもあります。
たとえば、
- 仕事で大きな失敗をした
- 希望していた試験や選考に落ちた
- 恋人との別れを経験した
- 信頼していた人との関係が壊れた
- 職場で強い批判を受けた
- 長く努力したことが思うような結果にならなかった
といった経験です。
こうした出来事の直後に自信を失うことは不自然ではありません。
「以前はこんなに自分を否定していなかった」と感じるなら、性格というより、傷ついた経験や現在の環境の影響を考えてみることも大切です。
他人との比較が習慣になっている
比較そのものより、「比較すると必ず自分を下げる」というパターンが問題になることがあります。
たとえば友人の昇進を聞いたとき、本来は「友人が昇進した」という出来事です。
しかし、
「それに比べて私は何も成長していない」
という評価を自動的に付け加えると、他人の成功がそのまま自分への否定材料になります。
比較する相手は無数にいるため、この習慣が強いと「自分より上に見える人」を探し続けることになりかねません。
完璧主義的な基準がある
自分に求める基準が高すぎることも、自己肯定感が低い状態につながる場合があります。
たとえば、
「仕事ならミスをしてはいけない」 「親ならいつも穏やかでいるべき」 「恋人なら相手を不安にさせてはいけない」
という基準です。
現実には、どれだけ努力していても失敗したり、余裕を失ったりすることはあります。
しかし基準が極端に高いと、普通の失敗まで「自分の欠陥」と感じてしまいます。
心身に余裕がなくなっている
寝不足や過労、強いストレスが続いているときは、普段より悲観的になったり、自分に厳しくなったりすることがあります。
そのため、「私は根本的に自己肯定感が低い」と結論づける前に、
「最近きちんと休めているか」 「仕事や家庭で負担が集中していないか」 「大きな悩みを一人で抱えていないか」
と現在の状況を確認することも大切です。

自己肯定感が低いと困りやすいこと
自己肯定感が低いことそのものより、それによって選択肢が狭くなったり、自分を必要以上に苦しめたりしているときに見直す意味があります。
どのような影響があるのかを具体的に見ていきましょう。
恋愛で相手中心になりやすい
「嫌われたくない」という不安が強いと、恋愛で自分の気持ちを後回しにすることがあります。
本当は連絡頻度について話し合いたいのに我慢する、嫌なことをされても「私が悪いのかもしれない」と考える、相手の機嫌を取ることばかり考える、といった状態です。
ただし、「不安になる=自己肯定感が低い」と単純に判断する必要はありません。
関係のなかで安心できない理由が実際に存在することもあるため、自分だけの問題として抱え込まないことが大切です。
仕事で評価を必要以上に気にする
上司や同僚からの評価が、自分自身の価値と結びつくことがあります。
一つ指摘されただけで「もう期待されていない」と感じたり、周囲より成果を出そうとして無理を続けたりすることもあります。
反対に、「失敗したくない」という気持ちから、昇進や新しい仕事を避ける人もいます。
重要なのは、自信があるかないかではなく、評価への不安によって本来望んでいる選択ができなくなっていないかを見ることです。
自分で決めることが怖くなる
「自分の判断は間違っているかもしれない」という気持ちが強いと、何を選ぶにも誰かの承認が必要になることがあります。
服を買う、転職する、恋人と付き合うといったことまで、
「これでいいと思う?」
と周囲に答えを求め続ける状態です。
人に相談することは悪いことではありません。ただ、最後の判断まで常に他人へ預けていると、「自分で選べた」という感覚を持ちにくくなります。
心が楽になる向き合い方

自己肯定感を変えようとするとき、「もっと自分を好きにならなければ」と頑張りすぎる必要はありません。自分を無理に高く評価するより、極端に低く評価している部分を少しずつ見直していくほうが取り組みやすい場合があります。
事実と自分への評価を分ける
最初に試したいのは、起きた出来事と、自分が付け加えた評価を分けることです。
たとえば、
「会議で質問に答えられなかった。私は仕事ができない」
と考えたとします。
ここで、
事実:会議で一つの質問に答えられなかった
解釈:私は仕事ができない
と分けてみます。
事実だけを見ると、「次までに調べる」「詳しい人へ確認する」といった具体的な対応が考えられます。
ところが「私は仕事ができない」と自分全体を評価すると、改善より自己否定へ意識が向いてしまいます。
自分を責める言葉が浮かんだら、「これは事実だろうか、それとも私が付けた評価だろうか」と一度分けてみてください。それだけでも考え方に少し余白が生まれます。
自分への言葉を少し変える
急に「私は素晴らしい」と思おうとしても、違和感が強いかもしれません。
そこで、否定的な言葉を肯定的な言葉へ反転させるのではなく、まず中立的な言葉へ変えてみます。
「私は本当にダメだ」 ではなく、 「今回はうまくいかなかった」
「みんな私を嫌っている」 ではなく、 「今、嫌われたのではないかと不安になっている」
「何もできていない」 ではなく、 「思っていたところまでは進めなかった」
このような言い換えなら、自分を無理に褒める必要がありません。
自分を攻撃する強さを少し弱めることが目的です。
小さな行動を自分で決める
自己肯定感を高めるために大きな成功が必要とは限りません。
むしろ、「自分で決めて、自分で行動した」という小さな経験を積み重ねるほうが取り組みやすいことがあります。
たとえば、
- 今日着る服を自分で選ぶ
- 気になっていた本を10分だけ読む
- 疲れている日は予定を一つ減らす
- 行きたくない誘いを一度断ってみる
- やってみたいことを一つ申し込む
といった行動です。
結果が完璧だったかどうかより、「自分の気持ちを確認して選べたか」を振り返ってみてください。
できたことも記録する
自己否定が強いと、失敗は覚えているのに、できたことはすぐ忘れる傾向が出ることがあります。
一日の終わりに、
- メールを一本返信した
- 面倒だった仕事を始められた
- 疲れていたので早く休んだ
- 言いたいことを一つ伝えられた
といった事実を書くだけでも構いません。
「こんなことはできて当然」と評価する必要はありません。
まず、できた事実を消さないことが大切です。
他人との境界線を意識する
人の期待へ応え続けることで自分の価値を確認していると、断ることに強い罪悪感を持つことがあります。
しかし、相手の希望をすべて受け入れることが良い関係とは限りません。
「今日は難しいです」 「そこまでは対応できません」 「私はこうしたいです」
と伝えることも、人間関係を続けるためのコミュニケーションです。
最初から大きな主張をする必要はありません。小さな場面から「自分にも希望がある」と認めていくことが、自分を尊重する練習になります。
比較する環境を減らす
SNSを見たあとに毎回落ち込むのであれば、意志の弱さだけの問題として考える必要はありません。
見る時間を決める、特定のアカウントを一時的に表示しない、寝る前はSNSを開かないなど、比較が起きにくい環境を作る方法もあります。
自分の考え方を変えるだけではなく、自分を苦しめる情報に触れる量を調整することも立派な対処です。

無理に自己肯定感を上げなくていい
自己肯定感について調べていると、「自己肯定感を上げなければ幸せになれない」と感じてしまうことがあります。しかし、目指す必要があるのは、いつも自分を高く評価できる状態とは限りません。
失敗すれば落ち込むこともありますし、苦手な部分に気づくこともあります。
大切なのは、
「失敗したけれど、私のすべてがダメなわけではない」 「苦手なことがあっても、それだけで価値がなくなるわけではない」
と、自分全体への否定まで広げないことです。
「自分が大好き」と思えなくても構いません。
まずは、
「今の私はこう感じている」 「この部分は苦手だけれど、この部分はできている」 「今日は余裕がないから厳しく考えているかもしれない」
と、自分を少し客観的に見られる状態を目指してみてください。
「自己肯定感を上げる」という目標が苦しく感じるなら、「自分を必要以上に下げない」「自分の気持ちを無視しない」という目標に変えてみるのも一つの方法です。
原因を一人で探し続けない
自分を理解しようとすることは大切ですが、「なぜ私はこうなったのだろう」と原因を掘り続けることで、かえって苦しくなることもあります。
過去の出来事には変えられないものもありますし、原因が一つに特定できないことも少なくありません。
そのため、
「どうしてこうなったのか」
だけでなく、
「今、どんな場面で苦しくなるのか」 「そのとき何を考えているのか」 「本当はどうしたいのか」
という現在の自分にも目を向けてみてください。
カラットセラピーでも、答えを外から決めるのではなく、色やカード、対話などを手がかりとして、本人が自分の気持ちや選択肢を整理していくことを大切にしています。
仕事、人間関係、恋愛、生き方などについて一人では整理しにくいと感じる場合は、個人セッションなど第三者との対話を利用する方法もあります。
相談することは、「自分では何もできない」という意味ではありません。自分の考えを整理するために、他者の力を借りるという選択肢の一つです。
カラットセラピーの個人セッションでは、保志吏衣子との対話を通して、仕事や人間関係、生き方、将来の選択などの迷いを整理し、自分の本音と具体的な次の一歩を考えていきます。
自己肯定感が低いときのよくある質問
- 自己肯定感が低い人は性格に問題がありますか?
-
いいえ、自己肯定感が低いことだけで性格に問題があるとはいえません。
自分への評価は、これまでの経験や人間関係、現在の環境、物事の受け止め方など、さまざまな要因の影響を受けます。
また、いつも自己肯定感が低いとは限らず、仕事や恋愛で傷ついた時期だけ一時的に自信を失うこともあります。
「私はこういう性格だから変わらない」と決めつけるより、どのような場面で自分を否定しやすいのかを見るほうが役立ちます。
- 自己肯定感が低い人は恋愛がうまくいかないのでしょうか?
-
自己肯定感が低いから恋愛がうまくいかない、と一概にはいえません。
ただ、「嫌われたくない」という気持ちから我慢を続けたり、相手の反応だけで自分の価値を判断したりすると、関係のなかで苦しくなることがあります。
その場合は、自己肯定感だけを問題にするのではなく、「自分は本当は何を嫌だと感じているか」「相手とどのような関係を作りたいか」を考えることが大切です。
- 自己肯定感が低い原因は親にありますか?
-
家庭環境や親との関係が影響している場合はありますが、すべての原因を親だけに求めることはできません。
学校での経験、友人関係、仕事、恋愛、社会的な比較、本人の考え方の習慣なども関係する可能性があります。
原因を一人に特定することよりも、「どんな経験から、今どんな考え方が生まれているのか」を整理するほうが、これからの向き合い方を考えやすくなります。
- 自己肯定感が低いのは治せますか?
-
自己肯定感は病名ではないため、「治す」というより、自分への見方や考え方、行動のパターンを少しずつ見直していくものと考えるとよいでしょう。
事実と自己評価を分ける、自分への厳しい言葉を中立的に言い換える、小さな選択を自分で行うといった取り組みから始められます。
すぐに自信が持てなくても、「以前より自分を責める時間が短くなった」といった変化も大切です。
- 自己肯定感の低さで専門家に相談してもいいですか?
-
相談して構いません。
特に、自己否定が強くて仕事や学校、人間関係に大きな影響が出ている場合や、気分の落ち込み、不安、不眠などが続いている場合には、一人で抱え込まないことが大切です。
心身の不調が強い場合は医療機関などの専門機関を検討してください。
一方、「病気かどうかではなく、自分の考えや気持ちを整理したい」という場合には、カウンセリングや対話型の個人セッションなどを利用する方法もあります。
まとめ
自己肯定感が低い人には、人の評価を強く気にする、失敗を自分全体の否定につなげる、褒め言葉を受け取りにくい、他人と比較して落ち込みやすい、自分に厳しいといった特徴が見られることがあります。
ただし、これらは「自己肯定感が低い人を判定するチェックリスト」ではありません。
育った環境、人間関係、過去の失敗、完璧主義的な考え方、現在のストレスなど、複数の要因が重なっている場合があります。
大切なのは、「私は自己肯定感が低い人間だ」と自分を決めつけることではなく、どの場面で、どんな言葉を自分に向け、どのような行動につながっているのかに気づくことです。
無理に自分を好きになる必要もありません。
まずは今日一日、自分を責める言葉が浮かんだときに、「これは事実なのか、それとも私が自分に付けた評価なのか」と一度だけ分けてみてください。その小さな確認が、自分との付き合い方を少し楽にする次の一歩になります。


