タロットカードというと、神秘的な絵柄や占いを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。「古代エジプトから伝わったもの」「昔から未来を占うために使われていたもの」といった説明を目にしたことがあるかもしれません。
しかし、歴史資料から確認できるタロットの歩みをたどると、少し違った姿が見えてきます。現在知られているタロットの直接的な起源は、15世紀ごろのイタリアで使われていたカードゲームに求めるのが一般的です。占いや神秘思想との強い結びつきが生まれるのは、それより数百年後のことでした。
この記事では、タロットの発祥から「タロット」という名前の由来、占いに使われるようになった経緯、現在よく使われるタロットへと発展していくまでを、歴史的に確認できることと後世の解釈を分けながら整理します。
- タロットがいつ・どこで生まれたのか
- タロットがもともと何に使われていたのか
- 「タロット」という名前の語源と由来
- ゲーム用カードが占いの道具へ変化した歴史
タロットの起源は15世紀のイタリア

タロットの発祥を考えるとき、最初に押さえておきたいのは、現在確認できる初期のタロットは15世紀のイタリアに現れているという点です。
メトロポリタン美術館によると、タロットに関する初期の記録は1440年代から1450年代に集中しており、ヴェネツィア、ミラノ、フィレンツェ、ウルビーノなど北部・中部イタリアの都市と関係しています。
最初から占いのカードではなかった
現代では「タロット=占い」というイメージが強いため、タロットは未来や運命を知るために作られたと思われがちです。
しかし、15世紀のタロットは基本的にカードゲームとして使われていました。
当時のイタリアにはすでに、カップ、剣、棒、コインという4種類のスートを持つカードがありました。そこへ人物や寓意的なモチーフを描いた「切り札」を加えたものが、初期のタロットへとつながっていきます。
現在一般的な78枚構成に当てはめると、
- カップ、剣、棒、コインの4スートが合計56枚
- 寓意的な図像を描いた切り札が21枚
- 愚者にあたるカードが1枚
という構成です。
ただし、初期のカードが最初から現在とまったく同じ78枚、同じ順番、同じ名称で統一されていたわけではありません。現存する古いデッキには違いもあり、長い時間をかけて構成が整えられていったと考えたほうが自然でしょう。
貴族のための豪華なカードも作られた
初期のタロットとして有名なのが、「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」と総称されるカード群です。
15世紀のミラノを支配したヴィスコンティ家やスフォルツァ家に関係する豪華なカードで、手描きの人物や金色の装飾が施されています。現在も複数の美術館や図書館にカードが保存されています。
このようなカードを見ると、当時のタロットが単なる大量生産の遊具ではなく、宮廷文化や美術とも深く結びついていたことが分かります。
モルガン・ライブラリー&ミュージアムも、15世紀のタロットについて、貴族が楽しむカードゲームとして作られたものであり、当時は占いや運命を読み取る道具ではなかったと説明しています。

タロット以前にもカード文化があった
タロットの起源を考えるときは、「タロットそのものの発祥」と「トランプを含むカード文化全体の起源」を分けて考える必要があります。
タロットが登場するより前から、ヨーロッパにはカードゲームが存在していました。そのため、タロットは何もないところから突然作られたものではなく、すでに存在していたカード文化の中で生まれた新しいゲーム形式と見ることができます。
カードそのものの起源とは別問題
カード文化をさらにさかのぼると、中国やイスラム圏などとの関係についてさまざまな研究や仮説があります。
交易によって紙や印刷技術、ゲーム文化が地域を越えて伝わった可能性も考えられていますが、「ある一つの古代文化から現在のタロットがそのまま伝わった」と証明されているわけではありません。
ここで区別しておきたいのは、
カード文化にはタロットより古い歴史があること
と、
現在タロットと呼ばれるカードの直接的な歴史を確認できるのは15世紀のイタリアであること
です。
この2つは矛盾しません。
たとえば、現代の自動車の歴史を調べるとき、車輪そのものの発明までさかのぼることはできます。しかし、車輪の発明をそのまま自動車の発祥とは呼べません。それと似たように、カード文化の遠い起源と、タロットという具体的な形式の成立は分けて考える必要があります。

初期のタロットは「トリオンフィ」
現在の「tarot」という呼び名も、カードの誕生当初から使われていたわけではありません。
15世紀には、後にタロットと呼ばれるカードはイタリア語でcarte da trionfi(カルテ・ダ・トリオンフィ)、つまり「切り札・凱旋のカード」といった意味の名称で呼ばれていました。
メトロポリタン美術館の資料でも、15世紀にはこのカードが「carte da trionfi」と呼ばれ、「tarot」に当たる名称が使われるようになるのは16世紀と説明されています。
「トリオンフィ」は切り札と関係する
trionfiは、英語のtriumphにもつながる「勝利」「凱旋」という意味を持つ言葉です。
タロットゲームでは、通常のスートより強い切り札が重要な役割を持ちます。そのため、この名称はカードゲームとしての特徴ともよく合います。
現代のタロットでは、こうしたカードを「大アルカナ」と呼ぶことが一般的ですが、15世紀の人々が「大アルカナ」という言葉を使っていたわけではありません。
現在当たり前のように使われる用語も、タロットの長い歴史の中では後から加わったものが少なくないのです。
「タロット」の語源は分かっていない
では、「タロット」という言葉はどこから来たのでしょうか。
結論からいうと、「tarot」という言葉の最終的な語源は確定していません。
フランス語の「tarot」は、イタリア語の「tarocchi(タロッキ)」または単数形の「tarocco(タロッコ)」に由来するとされています。
15世紀に「trionfi」と呼ばれていたカードについて、16世紀になると「tarocchi」という名称が使われるようになり、それがフランス語のtarotなどへ広がっていきました。
語源についてはいくつもの説がある
taroccoそのものが何を語源としているのかについては、さまざまな説が提案されてきました。
しかし、歴史的に確定した説明はありません。
そのため、
「タロットという言葉は古代エジプト語の○○を意味する」
「秘密の宗教用語が語源である」
といった説明を見かけた場合には、それが歴史学上確認された事実なのか、後世の神秘思想から生まれた解釈なのかを分けて見る必要があります。
名前の由来が完全には分かっていないということ自体も、タロットの歴史の一部なのです。
絵柄は何を表していたのか

初期のタロットを見ると、「死」「皇帝」「教皇」「運命の輪」「星」「月」「太陽」など、現代のタロットにも残る象徴的なモチーフが登場します。
そのため、「最初から秘密の教えを暗号化したカードだったのではないか」と考えたくなるかもしれません。
ただ、当時の図像は、その時代の人々にとって必ずしも謎めいたものではありませんでした。
中世・ルネサンスの世界観が描かれた
15世紀のヨーロッパでは、宗教的人物、皇帝、徳を表す寓意像、死、運命、天体などは、美術や文学、宗教文化の中で広く使われていました。
つまり、現在の私たちには神秘的に見える絵柄も、当時の人々には比較的身近な象徴だった可能性があります。
タロットの絵柄を理解するとき、現在の占い上の意味だけを見るのではなく、制作された時代の文化や価値観を見ることも大切です。
たとえば「死」のカードも、必ずしも「未来に誰かが亡くなること」を予告するために作られた図像だったとは考えられません。中世からルネサンス期の美術では、死そのものが人間の有限性を思い出させる象徴として広く表現されています。
タロットの絵柄を学ぶときは、「このカードは○○を意味する」と一つのキーワードだけで覚えるより、いつの時代にどのような文化から生まれた図像なのかを見ると、カードをより立体的に理解しやすくなります。
タロット占いは18世紀に広がった
タロットの歴史の中でも特に大きな転換点となったのが、18世紀後半です。
ここで、もともとカードゲームだったタロットが、神秘思想や占いと強く結びついていきます。
1781年にエジプト起源説が登場
重要な人物の一人が、フランスの思想家アントワーヌ・クール・ド・ジェブランです。
1781年、彼は著書『Monde primitif(原始世界)』の中でタロットについて論じ、その図像を古代エジプトの知識と結びつけました。
モルガン・ライブラリー&ミュージアムによると、クール・ド・ジェブランはタロットを見て、それが単なるゲームではなく、古代エジプトの神聖な知識がカードの形で残ったものだと考えました。同じ著作に収録された別の論考では、タロットをエジプト神トートに結びつけ、占いに利用する考えも示されています。
ここから、タロットを「古代から伝わる神秘的な知識」と見る思想が大きく発展していきます。
ただし重要なのは、古代エジプトから15世紀のイタリアのタロットへ直接つながる歴史資料が確認されているわけではないということです。
現在では、このエジプト起源説そのものを歴史的事実として扱うことはできません。
エテイヤが占術として体系化した
もう一人、タロット占いの発展で欠かせない人物が、フランスのジャン=バティスト・アリエットです。
彼は名前を逆から読んだ「Etteilla(エテイヤ)」という名で活動しました。
エテイヤはカード占いを実践し、18世紀後半にはタロットを占術として体系化していきました。大英博物館は、彼をタロットによる占いを広めた人物であり、記録上最初の職業的なタロット占い師と紹介しています。
フランス国立図書館にも、1783~1785年に出版されたエテイヤによるタロット関連書籍が記録されています。
この時期になって初めて、現在の「カードを並べ、それぞれの意味を読みながら問いについて考える」というタロット占いにつながる文化が本格的に形成されていったと見ることができます。
19世紀に神秘思想と結びつく
18世紀に占術との結びつきが生まれたタロットは、19世紀になるとさらに神秘思想の中へ取り込まれていきます。
占星術、数秘術、カバラなど、さまざまな思想体系との対応関係が考えられるようになりました。
「大アルカナ」「小アルカナ」も後世の名称
現在のタロットでは、
- 22枚を「大アルカナ」
- 56枚を「小アルカナ」
と呼ぶのが一般的です。
しかし、これも15世紀から使われていた名称ではありません。
ヴィクトリア&アルバート博物館は、19世紀のフランスの神秘思想家エリファス・レヴィが、切り札と通常のスートを「Major Arcana」「Minor Arcana」と呼ぶ考えを導入したと説明しています。
「arcana」はラテン語の「arcanum」に由来し、「秘密」「秘儀」といった意味を持ちます。
つまり、現在ではタロットの基本用語のように見える「大アルカナ」「小アルカナ」という名称そのものが、カードゲームとして誕生した時代より数百年後の神秘思想の影響を受けた表現なのです。
歴史と象徴解釈は両立できる
ここで、「もともとゲームだったなら、現在のタロットの象徴的な意味は全部間違いなのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
私は、そう単純に考える必要はないと思います。
歴史的に「最初から占いのために作られたわけではない」ということと、後の時代の人々がカードに象徴的な意味を見出してきたことは、別の話だからです。
文化は、長い時間の中で意味を増やしていきます。
大切なのは、後世の解釈を「15世紀から存在した客観的事実」と混同しないことです。
マルセイユ版から現代へ
タロットはイタリアからフランスなどヨーロッパ各地へ広がり、さまざまな地域型のカードが作られました。
その中でも現在まで大きな影響を残しているのが、いわゆる「マルセイユ版タロット」です。
マルセイユ版が伝統的な型を残した
マルセイユ版は、魔術師にあたる「Le Bateleur」、女教皇にあたる「La Papesse」、皇帝、恋人、戦車、隠者、運命の輪、死、塔、星、月、太陽、世界など、現在もよく知られている大アルカナの図像を伝えています。
18世紀のフランスでもこの系統のカードが使われており、後の神秘思想家や占い師たちも、こうした伝統的なタロットの絵柄をもとに独自の解釈を発展させていきました。
ただし、「マルセイユ版が世界最初のタロット」という意味ではありません。
タロットそのものの歴史は、それ以前の15世紀イタリアまでさかのぼります。

20世紀に現在のタロットが広がる
現代のタロットに特に大きな影響を与えたのが、20世紀初頭に登場したライダー・ウェイト・スミス版です。
現在販売されている初心者向けタロットの多くも、このカードの構図や象徴表現から強い影響を受けています。
1909年にウェイトとスミスが制作
ライダー・ウェイト・スミス版は、神秘思想家アーサー・エドワード・ウェイトの構想をもとに、芸術家パメラ・コールマン・スミスが絵を制作しました。
モルガン・ライブラリー&ミュージアムによると、ウェイトがスミスにタロットの制作を依頼したのは1909年です。
このデッキが画期的だった理由の一つは、小アルカナの数字札にも人物や場面を描いたことです。
たとえば「カップの5」なら、単にカップが5個並んでいるだけではなく、人物の姿を含む一つの場面として描かれています。
そのため、カードに書かれた意味を暗記するだけでなく、
「この人物はどんな気持ちに見えるだろう」
「自分ならこの場面をどう感じるだろう」
と、絵から物語を読み取ることがしやすくなりました。
この特徴は、その後のタロット制作に大きな影響を与えています。

タロットの歴史を時系列で整理
ここまでの流れを大まかに整理すると、タロットの歴史は次のようになります。
| 時代 | 主な出来事 |
|---|---|
| 15世紀前半~中頃 | 北部・中部イタリアで初期のタロットが登場 |
| 15世紀 | 貴族を中心にカードゲームとして使われる |
| 15世紀 | 「carte da trionfi」などと呼ばれる |
| 16世紀 | 「tarocchi」という名称が広がる |
| 16~18世紀 | イタリアやフランスなどでカードゲームとして発展 |
| 18世紀後半 | フランスでタロットと神秘思想・占いが結びつく |
| 1781年 | クール・ド・ジェブランが古代エジプトとの関連を主張 |
| 1780年代 | エテイヤがタロット占術を体系化 |
| 19世紀 | 神秘思想、カバラ、占星術などとの対応が発展 |
| 20世紀初頭 | ライダー・ウェイト・スミス版が登場 |
| 現代 | 占い、自己理解、芸術、創作など多様な目的で使われる |
こうして見ると、現在私たちが「タロット」と呼んでいるものには、カードゲームとしての歴史と、後から積み重なった占術・神秘思想の歴史という二つの層があることが分かります。
「古代エジプト起源」は本当?
タロットの由来について調べていると、特に頻繁に出てくるのが古代エジプト起源説です。
神秘的で魅力のある説ですが、歴史的事実として扱う場合には注意が必要です。
直接つながる資料は確認されていない
18世紀のクール・ド・ジェブランらは、タロットを古代エジプトの知恵と結びつけました。
しかし、古代エジプトから中世ヨーロッパを経て15世紀イタリアのタロットへ続くカードや文献が確認されているわけではありません。
一方、15世紀イタリアには実際のカードや記録が残っています。
そのため歴史を考える場合には、
確認できる歴史:15世紀イタリアのカードゲーム
後世の思想:タロットを古代エジプトの秘教と結びつける解釈
と分けるのが適切です。
エジプトとの関連を象徴的・思想的な解釈として楽しむことと、それを歴史的起源として断定することは違います。
歴史を知るとタロットの見方が変わる

タロットの起源を知ることは、単なる雑学ではありません。実際にカードを学んだり使ったりするときの見方にもつながります。
特に大切なのは、「カードには最初から唯一絶対の意味が刻まれている」と考えすぎないことです。
カードの意味も歴史の中で変化した
タロットは15世紀から現代まで、500年以上の時間を生き残ってきました。
その間に、
- カードゲーム
- 宮廷美術
- 占い
- 神秘思想
- 芸術表現
- 自己理解のための対話
など、さまざまな文脈で使われています。
カードの意味や解釈も、その時代の文化や思想から影響を受けています。
ですから、「このカードが出たら必ず未来にこの出来事が起きる」と断定するよりも、カードに描かれているものを手がかりとして、
「私はこの絵のどこが気になるのだろう」
「今の自分と重なる部分はあるだろうか」
「本当は何を大切にしたいのだろう」
と考えてみる使い方もできます。
カラットセラピーでも、タロットを未来を一方的に決めるものとしてではなく、自分の気持ちや本音を見つめるための一つの手がかりとして捉えています。
タロットをこれから学ぶなら、カードの意味を丸暗記することから始めなくてもかまいません。絵柄の歴史や背景を知りながら、「自分にはどう見えるか」も一緒に考えていくと、解釈を押しつけるのではなく、自分の言葉でカードと向き合いやすくなります。
タロットやカラーを使った自己理解の方法を基礎から知りたい方は、カラットセラピーの無料メール講座で学びを深める方法もあります。
タロットの起源のよくある質問
- タロットはどこの国で生まれた?
-
現在確認されている歴史資料では、15世紀のイタリアで現在のタロットにつながるカードが成立したと考えるのが一般的です。
特にミラノをはじめ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ウルビーノなどと関係する15世紀の記録やカードが知られています。
ただし、カード文化そのものにはそれ以前の歴史があります。そのため、「カードそのものの起源」と「タロットという形式の発祥」は分けて考える必要があります。
- タロットはもともと占いの道具?
-
いいえ。歴史資料から確認できる初期のタロットは、主としてカードゲームとして使われていました。
占いや神秘思想との強い結びつきが確認できるようになるのは18世紀後半です。
そのため、「15世紀に占い師が未来を予言するために現在と同じタロットを作った」という説明は、確認されている歴史とは一致しません。
- タロットは古代エジプトが発祥?
-
古代エジプト起源説は18世紀後半に広まった有名な説ですが、現在のところ、古代エジプトから15世紀イタリアのタロットへ直接つながる歴史資料は確認されていません。
古代エジプトとの関連は、タロットの神秘思想史を理解するうえでは重要ですが、史実としての発祥地とは区別して考える必要があります。
- 「タロット」という名前にはどんな意味がある?
-
フランス語の「tarot」は、イタリア語の「tarocchi」「tarocco」に由来するとされています。
ただし、さらにその語が何から生まれたのかについては確定しておらず、タロットという名称の最終的な語源は不明です。
15世紀には現在のタロットにあたるカードが「carte da trionfi」などと呼ばれ、16世紀になってtarocchiという名称が広がっていきました。
- 現在のタロットは昔のものと同じ?
-
基本となる4スートと切り札という構造には15世紀までさかのぼれる部分がありますが、名称、カードの順番、絵柄、象徴の解釈などは時代とともに変化しています。
特に、現在広く使われている「大アルカナ」「小アルカナ」という呼び方や、占星術・カバラなどとの対応は後世に発達したものです。
また、20世紀のライダー・ウェイト・スミス版は小アルカナにも場面を描き、その後のタロットに大きな影響を与えました。
まとめ
タロットの起源を歴史資料からたどると、現在確認できる直接的な発祥は15世紀のイタリアにあります。
最初から神秘的な占い道具として誕生したわけではなく、貴族などが楽しむカードゲームとして使われていました。
その後、おおまかには、
15世紀のイタリアでゲームとして成立 → 16世紀ごろ「tarocchi」の名称が定着 → ヨーロッパ各地でカードゲームとして発展 → 18世紀後半に占いや古代思想と結びつく → 19世紀に神秘思想として体系化 → 20世紀に現在につながるデッキが普及
という変化をたどってきました。
古代エジプト起源説をはじめ、タロットには多くの神秘的な物語があります。それらはタロット文化を豊かにしてきた思想の一つとして興味深いものです。
一方で、歴史を知るときには、資料によって確認できるカード文化の変遷と、後世の人々が加えてきた象徴的・神秘的な解釈を分けることが大切です。
そして、その長い変化を知ることは、現在タロットと向き合うときにも役立ちます。
カードから何か一つの「正しい未来」を教えてもらおうとするのではなく、長い歴史の中で受け継がれてきた絵柄を手がかりに、「私は今、何を感じているのだろう」「私はこれからどうしたいのだろう」と考えてみる。
そうした向き合い方も、現代におけるタロットの楽しみ方の一つではないでしょうか。


