セルフコンパッション日記の書き方は?ノートで自分をいたわる実践方法

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セルフコンパッションとマインドフルネスの違いとは?関係と使い分けを解説

「セルフコンパッションとマインドフルネスは、結局どう違うのだろう」と疑問に感じていませんか。

どちらも自分の心と向き合うときによく登場する言葉で、「ありのままを受け入れる」「自分を否定しない」といった説明も多いため、同じもののように見えるかもしれません。

大きく分けると、マインドフルネスは今この瞬間の経験に気づくこと、セルフコンパッションは苦しんでいる自分に思いやりを向けることに重点があります。

ただし、両者は対立するものではありません。むしろ、自分の状態に気づくマインドフルネスがあるからこそ、自分に必要な思いやりを向けやすくなるという関係があります。

この記事では、セルフコンパッションとマインドフルネスの違いから、両者の関係、日常での使い分けまでわかりやすく整理します。

記事の監修者

株式会社ココロザC代表取締役。カラーセラピスト・心理カウンセラーとして活動。
日本初の「カラットセラピー」を創生。相談実績は延べ20,000人以上。
カラットセラピスト育成実績は800名以上。

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この記事を読むと分かること
  • セルフコンパッションとマインドフルネスの基本的な違い
  • マインドフルネスがセルフコンパッションの一部とされる理由
  • 悩みや場面に応じた両者の使い分け方
  • 日常生活でセルフコンパッションとマインドフルネスを実践する方法
目次

セルフコンパッションとマインドフルネスの違い

最初に、両者の違いを簡潔に整理しておきましょう。似ている部分はありますが、心に向ける働きかけの重点が異なります。

スクロールできます
比較する点マインドフルネスセルフコンパッション
中心となる考え今の経験に気づく苦しい自分を思いやる
主な対象思考・感情・身体感覚など苦しみや失敗を経験している自分
基本姿勢判断せずに観察するやさしさと理解を向ける
たとえば「私は今、焦っている」と気づく「焦るほど頑張っていたんだな」と自分をいたわる
目的の違い経験をそのまま認識する苦しみに対して支えとなる態度をとる
両者の関係セルフコンパッションを支える要素の一つマインドフルネスを含む、より広い考え方として説明されることがある

たとえば、仕事で大きなミスをしたとします。

「胸が苦しい」「焦っている」「頭の中で失敗した場面を何度も思い返している」と気づくことは、マインドフルネス的な態度です。

そこから、「失敗して落ち込むのは自然なこと」「今は自分を責め続けるより、落ち着いて次にできることを考えよう」と自分に接するのが、セルフコンパッションに近い態度です。

つまり、

マインドフルネス=気づく

セルフコンパッション=気づいた自分を思いやる

と整理すると、違いをつかみやすくなります。

ただし、これは完全に切り分けられるものではありません。セルフコンパッションの中にもマインドフルネスの要素が含まれており、実践するときには両方を行き来することがあります。

マインドフルネスとは

マインドフルネスは、「今この瞬間に起きていることへ注意を向け、その経験に気づく姿勢」として説明されることが多い考え方です。

大切なのは、気分をすぐに変えたり、嫌な感情を消したりすることではありません。

今の経験に気づく

私たちは日常生活の中で、自分でも気づかないうちにさまざまな考えに巻き込まれています。

たとえば、人から少しそっけない返事をされたとき、

「嫌われたかもしれない」

「何か悪いことを言ったのではないか」

「きっと怒っている」

と考え始め、その想像がいつの間にか事実のように感じられることがあります。

マインドフルネスでは、そこでまず、

「私は今、『嫌われたかもしれない』と考えている」

と気づきます。

相手が本当に自分を嫌っているかどうかを決めるのではなく、今、自分の中にどのような思考や感情が起きているかを見ることがポイントです。

このように事実と自分の解釈を分けて見ることは、自分の気持ちを整理するときにも役立ちます。

感情をなくすことではない

マインドフルネスについて、「何も考えない状態になること」「いつも穏やかでいること」と誤解されることがあります。

しかし、嫌な感情が起こらなくなることを目指すものではありません。

不安があれば「不安がある」と気づき、怒りがあれば「怒りを感じている」と認識します。

「こんなことで怒ってはいけない」

「不安になる私は弱い」

とすぐに評価するのではなく、まずは自分の経験として認識してみるのです。

もちろん、実際には感情に巻き込まれることもあります。それ自体を失敗と考える必要はありません。

「今、かなり考えに巻き込まれていたな」と後から気づくことも、気づきの一つです。

ワンポイントアドバイス

「落ち着かなければ」と頑張るより、「今は落ち着かない状態なんだな」と確認するところから始めてみてください。自分の状態を変えることより、まず知ることを意識すると取り組みやすくなります。

セルフコンパッションとは

セルフコンパッションは、苦しみ、失敗、欠点などに直面したとき、自分自身に対して思いやりのある態度を向ける考え方です。

セルフコンパッション研究で知られる心理学者クリスティン・ネフらは、セルフコンパッションを「自分へのやさしさ」「共通の人間性」「マインドフルネス」という3つの側面から説明しています。

自分へのやさしさ

失敗したとき、私たちは他人に対して使わないほど厳しい言葉を、自分には向けてしまうことがあります。

「どうしてこんなこともできないんだ」

「自分は本当にダメだ」

「もっと頑張らなければ」

このような自己批判が、一時的に努力につながることもあるでしょう。しかし、必要以上に自分を責め続ければ、問題への対処よりも自己否定にエネルギーを使ってしまうことがあります。

セルフコンパッションでは、

「失敗してつらいんだな」

「今日は思ったようにできなかった」

「今の自分には少し休むことも必要かもしれない」

といったように、親しい人を気遣うような態度を自分にも向けます。

ここでいう「やさしさ」は、何でも自分に許可することではありません。

必要であれば反省し、行動を変えることも含めて、自分を傷つけずに自分を支える方法を考える姿勢です。

共通の人間性

つらいときには、

「こんな失敗をするのは自分だけだ」

「みんなはうまくやっているのに、自分だけできない」

と孤立した感覚になることがあります。

セルフコンパッションにおける「共通の人間性」は、失敗、不安、迷い、喪失などは程度や事情こそ違っても人間が経験し得るものだと捉える視点です。

だからといって、「みんなも苦しんでいるのだから我慢しなさい」という意味ではありません。

むしろ、

「自分だけがおかしいわけではない」

「人である以上、失敗することもある」

と、苦しみの中で必要以上に孤立しないための視点と考えるとわかりやすいでしょう。

マインドフルネス

セルフコンパッションの3つ目の要素として、マインドフルネスがあります。

これは、つらい出来事や感情を無視するのでも、逆にその感情と一体化してしまうのでもなく、バランスを保ちながら気づくことを意味します。

たとえば、

「もう全部ダメだ」

という思考が浮かんだとき、

「本当に人生のすべてがダメだ」

と結論づけるのではなく、

「今、それほどつらいと感じているんだな」

と捉え直します。

苦しみに気づかなければ、自分に何が必要なのかもわかりません。そのため、マインドフルネスはセルフコンパッションを支える重要な土台になります。

両者はどのように関係する?

セルフコンパッションとマインドフルネスは、別々の考え方でありながら密接に関係しています。

特に重要なのは、「自分の苦しみに気づくこと」と「気づいた苦しみにどう接するか」というつながりです。

気づくことが思いやりの入口になる

自分を思いやるためには、まず自分が苦しんでいることに気づく必要があります。

たとえば、毎日忙しく働き続け、

「まだできる」

「もっと頑張らないと」

と思っていたとしても、実際には身体が強く緊張していたり、何をしてもイライラしたりしていることがあります。

マインドフルネス的に自分の状態を見ると、

「肩にずっと力が入っている」

「焦りが続いている」

「今日は集中できない」

といった変化に気づくことができます。

そこで初めて、

「少し休んだほうがよさそうだ」

「今日は予定を減らそう」

というセルフコンパッションにつながる選択肢が生まれます。

つまり、マインドフルネスが「何が起きているのか」を教え、セルフコンパッションが「その自分にどう接するのか」を考えるという関係です。

セルフコンパッションが観察を支えることもある

反対方向の関係もあります。

自分に対する評価が厳しい人ほど、自分の感情を見ることそのものが苦しくなる場合があります。

たとえば、

「嫉妬している自分なんて最低だ」

と思っていれば、嫉妬という感情を素直に認識することは簡単ではありません。

ところが、

「人と比べて苦しくなることは誰にでもあり得る」

「この感情があるからといって、自分のすべてが悪いわけではない」

と少し自分にやさしく接することができれば、

「私は何に嫉妬しているのだろう」

「本当は何を望んでいるのだろう」

と、自分の気持ちを落ち着いて観察しやすくなることがあります。

このように、マインドフルネスがセルフコンパッションを支えるだけでなく、セルフコンパッションがマインドフルな気づきを支えることもあります。

心理学でも組み合わせて研究されている

両者を組み合わせた代表的な取り組みの一つに「Mindful Self-Compassion(MSC)」があります。

NeffとGermerによるランダム化比較試験では、8週間のMSCプログラムに参加した人について、セルフコンパッションやマインドフルネスなどの指標の変化が検討されています。研究結果は特定のプログラムや対象者についてのものであり、すべての人に同じ効果を保証するものではありませんが、セルフコンパッションとマインドフルネスが関連する考え方として実践・研究されている例といえます。

両者を「どちらが優れているか」で比べるより、役割の違う二つの視点として理解するほうが実践的でしょう。

セルフコンパッションとマインドフルネスの使い分け

では、日常ではどちらを使えばよいのでしょうか。

厳密に一方だけを選ぶ必要はありませんが、今の自分に必要なことから考えると使い分けやすくなります。

頭の中がいっぱいならマインドフルネス

同じことを何度も考えてしまうときや、不安が次々と広がっているときは、まずマインドフルネスの視点が役立ちます。

たとえば、上司から短いメッセージが届いたとします。

「何か怒らせたかもしれない」

「評価が下がったのでは」

「仕事を任せてもらえなくなるかもしれない」

と考えが広がってきたら、一度分けてみます。

  • 実際に起きたこと:上司から短いメッセージが来た
  • 自分の考え:「怒っているのでは」と想像している
  • 自分の感情:不安を感じている
  • 身体の反応:胸がざわざわしている

こう整理すると、「起きた事実」と「自分の解釈」が少し見えやすくなります。

その時点で問題が解決するとは限りません。しかし、不安から次の不安へ自動的に進み続ける状態から、少し距離を取れることがあります。

自分を責めているならセルフコンパッション

「私はダメだ」「こんなこともできない」と自己批判が強くなっているときは、セルフコンパッションを意識してみます。

たとえば試験に落ちたとき、

「努力が足りなかった」

という振り返りが必要な場合はあります。

しかし、

「落ちたのだから私は能力のない人間だ」

と、自分全体の価値まで否定する必要はありません。

セルフコンパッションでは、

「落ちて悔しい」

「それだけこの試験を大切にしていたんだな」

「振り返るべきところは振り返りながら、次にできることを考えよう」

と、自分を支える方向へ視点を移します。

重要なのは、「反省しない」のではなく、反省と自己攻撃を区別することです。

強い感情のときは両方を使う

失恋、人間関係のトラブル、大きな仕事の失敗などでは、マインドフルネスとセルフコンパッションを続けて使う方法があります。

たとえば、

「悲しい」

「悔しい」

「相手の言葉を何度も思い返している」

とまず気づきます。

これがマインドフルネスです。

そのうえで、

「今はかなりつらい時期なんだ」

「悲しい気持ちがあるのも無理はない」

「今日の自分にできることは何だろう」

と、自分をいたわります。

こちらがセルフコンパッションです。

強い感情を無理に消そうとするのではなく、気づく→思いやるという順番を意識すると取り組みやすいでしょう。

ワンポイントアドバイス

「マインドフルネスかセルフコンパッションか」と正解を決める必要はありません。まず今の自分の状態に気づき、そのあとで「この自分に何が必要だろう」と問いかけるだけでも、両方の視点を自然に取り入れられます。

日常でできる実践方法

セルフコンパッションもマインドフルネスも、特別な時間を長く確保しなければ実践できないものではありません。

数十秒から数分でも、自分の状態を確認する習慣として取り入れられます。

3段階で自分を確認する

迷ったときは、次の3段階で整理してみてください。

  1. 今起きていることに気づく
    「私は今、不安を感じている」「頭の中で同じことを繰り返している」など、評価せずに現在の状態を確認します。
  2. 人間として自然な経験か考える
    「失敗すれば落ち込むこともある」「大切な人とぶつかれば傷つくこともある」と、苦しみを自分だけの異常な問題にしない視点を持ちます。
  3. 今の自分に必要なことを考える
    「少し休む」「誰かに相談する」「今日は結論を出さない」「必要な確認だけする」など、自分を支える具体的な行動を考えます。

1つ目にはマインドフルネス、2つ目と3つ目にはセルフコンパッションの要素が多く含まれています。

感情を一言で表す

考えがまとまらないときは、

「不安」

「悲しい」

「焦っている」

「腹が立っている」

「恥ずかしい」

など、今の気持ちを一言で表してみます。

「何を感じているかわからない」という場合は、それでも構いません。

「もやもやしている」

「落ち着かない」

という程度から始めてもよいでしょう。

大切なのは、正確な心理分析をすることではありません。

今の自分がどのような状態なのかに注意を向けることです。

自分への言葉を確認する

失敗した直後などには、自分にどのような言葉をかけているか確認してみてください。

「また失敗した」

だけでなく、

「だから私はダメだ」

「いつもこうだ」

「誰にも必要とされない」

など、出来事から自分全体への否定に広がっていないでしょうか。

そんなときは、

「同じ状況の親しい人に対しても、この言葉を使うだろうか」

と考えてみます。

もし使わないのであれば、自分に対する言葉も少し変えられるかもしれません。

たとえば、

「今回はうまくいかなかった。改善できることを考えよう」

という言い方なら、現実を否定せず、自分自身を必要以上に傷つけずに済みます。

呼吸や身体感覚に注意を向ける

思考が止まらないときには、呼吸や身体感覚へ注意を向ける方法もあります。

「息が入ってくる」

「息が出ていく」

「足が床に触れている」

「椅子に身体が支えられている」

と、今確認できる感覚に意識を向けます。

途中で考え事を始めても問題ありません。

「また考えていた」と気づいたら、もう一度感覚へ注意を戻します。

この「それたことに気づいて戻す」という過程そのものも、マインドフルネスの練習になります。

マインドフルネスやセルフコンパッションは、つらさを我慢し続けるための方法ではありません。強い不安や落ち込み、睡眠や食事への大きな影響などが続き、日常生活に支障が出ている場合は、セルフケアだけで抱え込まず、医療機関や適切な専門機関への相談も検討してください。

よくある誤解

両者については、「前向きになる方法」「自分を甘やかす考え方」などと捉えられることがあります。

ここでは、特に混同しやすい点を整理します。

ポジティブ思考とは違う

マインドフルネスもセルフコンパッションも、無理に前向きな考えへ置き換えることを目的としたものではありません。

仕事で失敗して落ち込んでいるときに、

「全然問題ない」

「きっとすべてうまくいく」

と思い込む必要はありません。

マインドフルネスなら、

「失敗して落ち込んでいる」

と現実の自分に気づきます。

セルフコンパッションなら、

「失敗したことは変えられないけれど、必要以上に自分を責めなくてもいい」

と自分に接します。

現実を否定しないことが、両者に共通する大切なポイントです。

自分を甘やかすことではない

セルフコンパッションという言葉から、「自分にやさしくしたら努力できなくなるのでは」と感じる方もいるでしょう。

しかし、自分への思いやりと、問題を放置することは同じではありません。

たとえば健康上の理由で生活習慣を見直したほうがよい場合、

「好きなことだけしていい」

と考えることだけが自分へのやさしさとは限りません。

「自分の身体を大切にするために、できる範囲から生活を整えよう」

と考えることも、自分を思いやる行動です。

セルフコンパッションでは、目先の心地よさだけではなく、自分を長い目で見て支えるには何が必要かを考えることが大切です。

感情を客観視しすぎる必要もない

マインドフルネスというと、自分の感情を遠くから冷静に眺めなければならないように感じるかもしれません。

しかし、人間である以上、強い感情に巻き込まれることはあります。

大切な人との別れに直面しているのに、

「感情に巻き込まれてはいけない」

と自分を監視し続ければ、それが新しい自己批判になってしまうこともあります。

悲しいときには、悲しさがあります。

腹が立つときには、怒りがあります。

まずはその事実を認めることから始めてよいのです。

自己理解にも役立つ二つの視点

セルフコンパッションとマインドフルネスは、気持ちを落ち着かせるためだけでなく、自分を知るための視点としても活用できます。

自分の気持ちを否定せず観察すると、本当に望んでいることが見えてくる場合があります。

「どう感じているか」に気づく

たとえば、転職するかどうか迷っているとします。

頭では、

「今の会社を辞めるのはもったいない」

と思っていても、仕事を考えるたびに身体が重く感じられるかもしれません。

逆に、

「転職したほうがよい」

と考えながらも、本当は今の仕事に残したい部分がある場合もあります。

マインドフルネス的に見てみると、

「今の会社に不満がある」

「でも環境を変えることも怖い」

「この仕事そのものは嫌いではない」

と、複数の気持ちが同時に存在していることに気づくかもしれません。

気持ちは必ずしも一つにまとまっているとは限りません。

「どうしたいか」を考える

そこでセルフコンパッションの視点を取り入れると、

「正しい答えをすぐに決めなくてもいい」

「迷っている自分を責めなくてもいい」

と、少し余裕を持って考えられることがあります。

そのうえで、

「私は何を大切にしたいのか」

「今の自分が無理なくできる一歩は何だろう」

と問い直してみます。

カラットセラピーでも、答えを外から決めつけるのではなく、色やカードなども手がかりにしながら、今の自分の気持ちや「本当はどうしたいのか」を見つめることを大切にしています。

セルフコンパッションやマインドフルネスについて学ぶ目的も、単に「正しい心の状態」になることではありません。

自分の状態を知り、自分を必要以上に責めず、そのうえで納得できる選択肢を考えるための視点として活用するとよいでしょう。

自己理解や自分との向き合い方をもう少し体系的に学んでみたい方は、カラットセラピーの無料メール講座を入り口にして、自分のペースで学んでいく方法もあります。

ワンポイントアドバイス

自己理解では「正しい気持ちを見つけよう」としすぎないことも大切です。「行きたいけれど怖い」「好きだけれど腹も立っている」のように、矛盾する気持ちが同時にあっても構いません。まずは今ある気持ちをそのまま確認してみましょう。

どちらから始めればいい?

セルフコンパッションとマインドフルネスのどちらから学ぶべきか迷う場合は、現在の自分が困っていることから考えてみると選びやすくなります。

「考えに振り回されやすい」という場合は、まずマインドフルネスの練習がわかりやすいかもしれません。

たとえば、

  • 過去の失敗を何度も思い出してしまう
  • まだ起きていない未来を延々と心配する
  • 相手の言葉の意味を考え続けてしまう
  • 感情が起きるとすぐに行動してしまう

といったときには、「今どんなことを考えているか」「身体にどんな感覚があるか」を観察することから始めます。

一方で、

  • 失敗すると自分を激しく責める
  • 人と比べて自分を否定する
  • 休むことに強い罪悪感がある
  • つらいときほど自分に厳しくなる

という場合は、セルフコンパッションを意識してみるとよいでしょう。

ただし、実際には二つの悩みが重なっていることが少なくありません。

「失敗について考え続け、そのたびに自分を責める」という場合には、

「今、失敗について何度も考えているな」

とマインドフルに気づき、

「それほど悔しかったんだな」

とセルフコンパッションを向けます。

そのため、最終的にはどちらか一方を選ぶというより、気づくことと思いやることをセットで使うと考えるほうが自然です。

セルフコンパッションとマインドフルネスのよくある質問

セルフコンパッションとマインドフルネスは同じものですか?

同じものではありません。

マインドフルネスは、今この瞬間の思考・感情・身体感覚などに気づき、必要以上に評価せずに認識する姿勢に重点があります。

セルフコンパッションは、特につらさや失敗を経験している自分に対して、やさしさや理解を向ける姿勢です。

ただし、セルフコンパッションの構成要素の一つとしてマインドフルネスが位置づけられているため、密接に関係しています。

マインドフルネスだけでもセルフコンパッションになりますか?

必ずしも同じとはいえません。

たとえば、

「今、自分は落ち込んでいる」

と気づくことはマインドフルネス的な態度ですが、そのあと、

「こんなことで落ち込むなんて情けない」

と自分を責めることも理論上はあり得ます。

セルフコンパッションでは、気づくだけでなく、

「落ち込んでいる今の自分に、どのように理解や思いやりを向けられるだろう」

という部分まで含めて考えます。

セルフコンパッションは自己肯定感と同じですか?

同じ概念ではありません。

自己肯定感という言葉はさまざまな意味で使われますが、自分を肯定的に評価する感覚として説明されることがあります。

一方、セルフコンパッションでは、自分を高く評価できるかどうかにかかわらず、失敗したり自信を失ったりしている自分にも思いやりを向けます。

「私はすばらしい」と思えない日でも、

「今日はうまくいかなくてつらかった」

と自分に接することはできます。

その点が理解しやすい違いの一つです。

マインドフルネスは瞑想をしないと実践できませんか?

瞑想は代表的な実践方法の一つですが、それだけではありません。

食事中に味や香りへ注意を向ける、歩いているときに足裏の感覚へ注意を向ける、「今、不安を感じている」と自分の状態を確認するなど、日常生活の中でも実践できます。

長時間集中することよりも、気づいたときに今の経験へ注意を戻してみることから始めるとよいでしょう。

セルフコンパッションとマインドフルネスはどちらを先に実践すべきですか?

決まった順番はありません。

ただ、つらい状況では、

「今、自分はつらいんだな」

と気づいてから、

「この自分にどんな言葉や行動が必要だろう」

と考えると実践しやすいため、マインドフルネスからセルフコンパッションへ進む流れはわかりやすい方法です。

一方、自分を強く責めていて気持ちを観察すること自体が苦しいときには、先に「今は自分に少しやさしくしてもよい」と考えることが助けになる場合もあります。

順番を正しく守ることより、今の自分に合う方法を選ぶことが大切です。

まとめ

セルフコンパッションとマインドフルネスは似ていますが、重点が異なります。

マインドフルネスは、今この瞬間に起きている経験に気づく姿勢です。

一方で、セルフコンパッションは、失敗や苦しみを経験している自分へ思いやりを向ける姿勢です。

たとえば、

「私は今、不安を感じている」

と気づくのがマインドフルネス、

「不安になるほど大切に思っていることがあるんだな。今の自分にできることを考えよう」

と自分に接するのがセルフコンパッションと考えるとわかりやすいでしょう。

両者はどちらか一方を選ぶものではありません。

自分の苦しみに気づくことがセルフコンパッションの入口になり、また自分に思いやりを向けることで、自分の感情を落ち着いて見つめやすくなることもあります。

気持ちが揺れたときは、すぐに正解を出そうとする前に、

「私は今、何を感じているのだろう」

「自分にどんな言葉を向けているだろう」

「今の自分には何が必要だろう」

と問いかけてみてください。

自分を理解することは、いつも自分を肯定したり、迷わなくなったりすることではありません。

迷いや不安も含めて今の自分に気づき、その自分を必要以上に責めずに、これからどうしたいのかを考えていくこと。そのために、マインドフルネスとセルフコンパッションは互いを支え合う二つの視点として活用できます。

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